新たな朝日は見えたのか.


大きな海と小さな舟。
流れ流れて行き着く先は何処。

さて、シスターの歌詞考察です。


シスターの歌詞をざっと見て思ったのは、色彩配置が綺麗だということ。


1番Aメロ、ここではまだ夜明け前。
風の便りとはよく聞くけれど、僕、つまりこの曲の主人公には風の便りはない。

そして、「あなたのために祈ることなら今の僕にも許されるでしょう」というところ。
今の僕にも許される、ということは昔の僕には許されてない?とも読めてしまうのだけれど、「でしょう」がこれを曖昧にしていて、あなたのために祈る僕を見てあなたはどう思うだろうか、ぐらいの意図だと思いました。


サビ。
「僕ら」っていうのは僕と悲しみのことだと思うのですが、この主人公が永遠に悲しみと寄り添って生きていくと思っているほど悲壮感が見えるのかというと、そのあとに出てくる「蒼」という字に、青ざめて生気がないという意味があるから。


主人公に風の便りはないけれど、あなたに届けたい想いがあると読めるのが2番サビ。

赤には活力とか生命力とかの意味があって、白には孤独とか空虚とかの意味があります。
悲しみに暮れる主人公が、それをぐっと堪えて、旅立つあなたの幸福を祈って花を捧げる。
そう考えるとこの赤と白の対比にぐっとくるんです。


そして、無秩序に組み立てられていた世界が、軋みながらも再び動きだすのは過去との決別だと読みとれます。


ここで、白い花の特徴として「この季節咲き誇る」とあるのが気になって、少し調べました。

いつぞやのライブで、ポルノグラフィティを辞めようと思ってたけれどもう一度やってみようと思って作った曲、と言っていたので、
「苦難の中の力」を花言葉に持つカモミールかも!と思ったのですが、これ春の花なんですね…
ジニアの花言葉が「別れた友への思い」なのでこれかもしれません。


そして最後は黄昏時。
東から昇る朝日と、西へ沈む夕日。
デビューから5年の中で、そういうひとつのサイクルがあったんだろうなあ…

「明日になったら会えるのかな」というフレーズも、明日への希望が込められているように感じる一方で、語尾は少し不安げ。
悲しみからは完全に脱却出来てない印象です。


私がポルノグラフィティと出会うのはネオメロドラマティックなのですが、シスターがなければ私も救われてないので、ポルノグラフィティを続けてくれて本当に有難う。


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