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1年間の中央競馬回顧(下半期)

こんにちは。

前回記事では上半期の中央競馬を振り返りましたが、今度は下半期の振り返りを行いたいと思います。

1、10月10日から事前に指定席を購入したお客様に限定して観客の入場を再開

下半期の大きなトピックスとしては、やはり観客の受け入れが限定的ではありますが再開したことだお思います。10月は、新型コロナウイルスの新規感染者が落ち着いている時期で、この時期に入場を開始しました。テレビやラジオで競馬中継を見たり聞いたりする中でも、無観客と観客がいる中では反応が全く異なりファンファーレやゴール後に拍手があるだけでもほっこりした気持ちになります。10月〜12月は偉大な大記録が生まれます(後述)が、観客が再開した状態でレースが行われ本当に良かったと思います。

私自身も、11月の福島競馬場で生観戦しましたが、家で競馬を楽しむのもいいですが競馬場の雰囲気はいいものだと本当に感じました。新型コロナウイルスが猛威を奮っている中今後が見通せない中ではあります。そんな中でも、各個人個人が感染対策を行い、1日でも早く収束できればいいと思います。

2、史上初、牡馬と牝馬で無敗の3冠馬が誕生

10月にクラシック最終戦、秋華賞と菊花賞が行われました。結果は、秋華賞はデアリングタクト、菊花賞はコントレイルが勝利し、牡馬と牝馬で無敗の3冠馬が誕生するという歴史的な1年となりました。秋華賞から振り返ります。レースは、前半1000M通過が59.4と淀みなく流れました。デアリングタクトは中団につけ、最後の直線を向くと外から先行集団に。今回は直線前に詰まることもなく力強く抜け出し快勝しました。松山弘平騎手にとってデアリングタクトで3冠を取れたことは非常に大きな経験でしたでしょうし、今年は自身で初の3桁となる127勝を挙げ大活躍の1年でした。今後の活躍が期待される騎手の1人です。一方、翌週に行われた菊花賞。レース前は、コントレイルにとってライバル馬サリオスが別路線に向かったため、ここでは圧倒的な1強状態、あとはどのような勝ち方をするのかだけに注目が集まりました。しかし、菊花賞はコントレイルの3冠レースの中で1番厳しいレースになりました。中団でレースを進めるコントレイルをルメール騎手騎乗の4番人気アリストテレスが徹底的にマーク、直線で抜け出したコントレイルに猛追しました。しかし、コントレイルは交わされることなくクビ差をつけ先頭にゴールし、史上6頭目、父ディープインパクト以来の無敗の3冠馬となりました。牡馬と牝馬で無敗の3冠馬が誕生しましたが、どちらも苦しいレースはありました。デアリングタクトはオークス、コントレイルは菊花賞を苦しい展開ながらもそこをしっかり勝ち切るのですから、2頭とも非常に能力が高い馬ですね。このあと、この2頭はジャパンカップの出走を表明し、後述するアーモンドアイも含めて3冠馬3頭の対決という歴史的な1戦となりました。

3、京都競馬場改修工事へ

コントレイル、ディープインパクト無敗の3冠達成の菊花賞などの様々な名勝負が繰り広げられた京都競馬場が10月の開催をもって2年半にも及ぶ改修工事に入ります。改修工事の間は、阪神と中京競馬場で代替開催が行われます。両競馬場とも直線に坂があり京都競馬場とは全く異なるコース形態のため、好走馬の傾向も変わってくると思うので、その点が難しくなりそうですね。新たな京都競馬場が完成する頃にはコロナが収束し普段の日常に戻るといいですね。

4、アーモンドアイ、天皇賞・秋で史上初の芝GⅠ8勝を達成

安田記念で2着に敗れ大記録は持ち越しとなったアーモンドアイ。得意の東京競馬場、高速馬場で勝利しGⅠ8勝を達成しました。アーモンドアイは道中3、4番手を追走、直線に入り力強く先頭に立つと、追い込んでくるフィエールマンとクロノジェネシスの追撃を振り切り、史上初の芝GⅠ8勝を達成しました。騎乗したルメール騎手は大記録達成に号泣のインタビューでした。それだけものすごいプレッシャーがあったのでしょう。それを跳ね除けての勝利、今見ても本当に素晴らしいと思います。アーモンドアイは、このあと自身の記録を更新すべく、ジャパンカップで無敗の3冠馬2頭との直接対決に進めました。

5、歴史的名勝負〜無敗の3冠馬2頭🆚芝GⅠ8勝最強馬アーモンドアイ〜

私自身が競馬を始めて15年経ちますが、こんな豪華メンバーが揃ったレースはあったでしょうか?そう思うくらいの、素晴らしいメンバーが揃ったレースでした。まずジャパンカップに出走表明をしたのは、秋華賞を勝利し無敗の牝馬3冠を達成したデアリングタクトでした。その後、菊花賞を勝利し無敗の3冠を達成したコントレイルがジャパンカップの出走を表明しました。この時点で、無敗の3冠馬2頭の直接対決で非常に注目を浴びていました。さらに、天皇賞・秋を勝利し史上初芝GⅠ8勝を達成したアーモンドアイがジャパンカップに出走を表明し、さらにジャパンカップで現役引退することが発表されました。GⅠが続く11月でしたが、ジャパンカップが2週間前から大注目され、競馬ニュースだけでなく一般のニュースでも大いに注目を浴びたと思います(私自身部屋にTVがないので推測ですが😅)。

ジャパンカップは、この3頭以外にも前走の京都大賞典を勝利し好調を維持しているグローリーヴェイズ、去年のジャパンカップ2着馬カレンブーケドール、宝塚記念2着馬キセキ、去年の菊花賞を勝利し有馬記念3着以来の11ヶ月ぶり実戦となるワールドプレミアなど伏兵も非常に豪華なメンバーでした。3強で決まるのか、3強に割って入ってくる馬がいるのか、馬券を予想する上でも非常に面白いレースでした。

レースは、キセキがスタートを決めてハイペースで大逃げをするという非常に面白い展開となりました。1000M通過タイムは57.9というハイペースで逃げ、人気馬のアーモンドアイはその後の集団の4番手、デアリングタクトは中団、その後をコントレイルが追走するという隊列でレースは進みました。最後の直線に入ってもキセキのリードは10馬身以上あり、これはもしや!?と思いましたが、流石に最後は止まり、変わって馬場の真ん中からアーモンドアイが先頭に立ち、外からコントレイルが猛追、少しおくれながらも馬場の真ん中からデアリングタクトが差を詰めるもアーモンドアイが先頭でゴール、引退レースで自身の芝GⅠ勝利の9に伸ばし引退の花道を飾りました。2着は外から追い込んだコントレイル、3着は接戦になりましたがデアリングタクトがハナ差カレンブーケドールをとらえました。結果として、上位3頭は3強で決着、4着カレンブーケドール、5着のグローリーヴェいずも3着とは差のない4、5着でしたので各馬が力を出し切った非常に素晴らしいレースでした。

ラジオNIKKEI、グリーンチャンネルでこの歴史的レースを実況した中野雷太アナウンサーは、1着でゴールしたアーモンドアイに「最強の走りだゴールイン!!」と表現した後、2着、3着争いの様子もしっかり伝えており、歴史的レースを実況するにふさわしい素晴らしい実況でした。

今回2着のコントレイル、3着のデアリングタクトは初めて負けてしまいまいましたが、負けてもなお強しのレースで来年以降が非常に楽しみな内容でした。

こんな漫画のようなレースは私自身が生きている中でもう見られるかどうか、歴史に刻まれるレースだと思います。

6、史上初白毛のGⅠ馬誕生

今年の競馬界は、史上初づくしの年でしたが、2歳馬でも史上初白毛の牝馬、ソダシが阪神JFを勝利し、白毛初のGⅠ勝利を達成しました。

ソダシは、7月函館でデビュー戦を快勝し、2戦目の札幌2歳Sでも快勝し白毛初の芝重賞勝利を達成しました。3戦目の出世レースアルテミスSも快勝し3戦3勝で阪神JFに駒を勧めました。相手関係が一気に強化される中でも1番人気に推され、直線では2番人気サトノレイナスの追撃をハナ差凌いで史上初の白毛のGⅠ馬誕生となりました。

ソダシの血統を見ると父クロフネ母ブチコ、母の父キングカメハメハ母の母シラユキヒメと全てが金子真人HDの所有馬なんですよね。これは、まさにリアルダビスタのような血統のロマンを感じますし、こういうことを知ることができたのも競馬をやっていて良かったと感じます。

7、牝馬の快進撃が秋のGⅠシーズンも続く

今年は、本当に牝馬の活躍が目立つ1年でした。春の混合芝GⅠでは牝馬が天皇賞・春以外のレースを全て勝利しました。秋のシーズンでもその勢いは続き、スプリンターズSとマイルCSをグランアレグリア、天皇賞・秋とジャパンカップをアーモンドアイ、有馬記念をクロノジェネシスが勝利し3歳以上の混合の芝GⅠをすべて牝馬が勝利するという牝馬の活躍が非常に目立つ1年となりました。

ここ10年、牝馬の活躍は毎年目立ちましたがここまで牝馬がGⅠを席巻するのも史上初ではないでしょうか。来年もこのまま牝馬の活躍が続くのか、それともコントレイル、フィエールマンなどの牡馬がそれに待ったをかけるか、来年も目が離せない1年となりそうです。

以上、ここまで上半期と下半期に分けて今年1年の中央競馬を振り返りました。やはり、ジャパンカップの話題が個人的にもとても印象に残っており多く描いてしまいました。ここで取り上げた以外にも、世界の競馬でも香港国際カップでの日本馬の大活躍(ダノンスマッシュが香港スプリント、ノームコアが香港カップを勝利)や海外でも大活躍したディアドラの引退(初年度の交配相手は世界の名種牡馬ガリレオ)などコロナ禍の中でも海外の大きな話題もありました。

競馬の話題を振り返り少しでも競馬に興味を持ってもらい、競馬の面白さを伝えることができたら幸いです。来年度も競馬の予想や回顧の記事を書いていきますのでよろしくお願いします。

長くなりましたが、最後まで読んでいただき本当にありがとうございます。


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