ホットケーキの朝顔

 こんにちは。草壁です。

 娘はブロックが大好きで、日に何度も出してきてはガチャガチャ何かを作っています。または私に何かを作らせようとけしかけてきます。

 最近は、ほかのものと組み合わせることを覚えました。

 ぬいぐるみのおうちを作るとか、乗り物のおもちゃを走らせる場所を作るとか。
 うまくいかなくてワーワー騒ぐのが日常ですが、ブロックとほかのおもちゃが生む無限大のシナジーに夢中になっています。
 無限大。そう、無限大。
 察しのいい方は、あるいは経験済みの方は、次の展開がわかるでしょう。

 おもちゃ以外でも、行けんじゃね?
 娘がそう考えるまでにさして時間はかかりませんでした。

 ソファーの下にブロックを投げ込む(取れなくなって泣く)
 チェストにブロックを投げつける(どっかにはねていって泣く)
 ゴミ箱にブロックを捨てる(捨てたのを忘れて泣く)
 父のズボンの中にブロックを入れようとする(拒否されて泣く)

 まあやりたい放題ですよ。
 とりあえず投げるのはやめてほしい。割と私に被害が出るので。痛いので……

 魔手は妻にも伸びていきます。
 サランラップをくれとせがみ、何がなんでも寄こせと泣き、手に入れるとゲヘゲヘ笑って恍惚とする。蛮族がそこにいるのです。
 
 ラップを食べようとするのを何とか阻止する戦争が終わり、ブロックを包んだりブロックに引っ掛けたりを始めて、少しおとなしくなったころ。

「おとうさん、はいどうぞ!」

 元気いっぱいに差し出してきたのは、四角いブロックをラップで包んだもの。

「これは何?」

 と聞くと、

「ホットケーキの朝顔!」

 得意満面だったので、思わず吹き出してしまう私。
 そうかー、ホットケーキの朝顔かー。
 発想が面白い。ラップをホットケーキに、ブロックを朝顔に見立てているのか、あるいはただ知っている語彙を適当に組み合わせたのか、そしてホットケーキの朝顔なるものは食べ物に分類されているらしく、モグモグして、と要求してくる。

 うん、無邪気でよろしい。
 でもおとうさんブロックのラップ包みは口に入らないよ。グリグリすると痛いよ。

 そう言えばつい昨日、おかあさんの料理している近くに行って、急におままごとを始めたりしていた。見様見真似で料理をしていた。これが伏線だったかー。
 娘の初手料理を味わったということで、いい思い出ですよね。
 いつか、本物の手料理を食べさせてくれるといいなあ。

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