うちにパパとママはいない?

 こんにちは。草壁です。

 唐突ですが、皆さんのご家庭では、幼少期の子どもに親を何と呼ばせています(いました)か?

 多分、パパ、ママが圧倒的多数なのだと思います。実際、娘の通う保育園でも、ご両親をパパ、ママ以外で呼んでいるのを耳にした記憶はほとんどありません。保育士の先生も基本は「〇〇ちゃんのパパ(ママ)」と呼びますしね。

 さて、ご察しのとおりですが、我が家は、おとうさん、おかあさん呼びをさせています。
 させている、というと語弊があるのですが、少なくとも最初から私(父)をおとうさん、妻(母)をおかあさんと示して伝えていたので、娘は素直にそのように覚えたのです。

 もちろんパパ、ママと教えれば、名前を呼んでもらうのも早かったのでしょうし、今回のタイトルにあるような混乱を娘に与えることはなかったのでしょうが、これはもう、我々夫婦の価値観からすると、取りえない選択肢だったと言えます。

 そもそも私は、自分が両親をパパママと呼んだ記憶がありません。家庭崩壊だとか里親だとかそういう重たい背景があるわけではなく、ただ普通に、自分の記憶がある三歳頃には既にお父さんお母さんと呼んでいました。もしかすると言語を習得し始めた本当の最初はパパママと呼んだこともあるのかもしれませんが、記憶にないのです。これは妻も同様でした。

 となると、親=パパママであるという意識付けが、知識としては知っていても、感情としてはしっくりこないのです。もちろんよそのご家庭がそうであったからと言って、あっちの家は変だ、とかそんなことはまったく思わないのですが、自分の娘が自分を「パパ」と呼んだら、それはなぜか家族になり切れていないような違和感がつきまとう気がして。

 おそらく最初だけパパママと教えて、成長の過程の中でお父さんお母さんに修正していく、というやり方もあったと思います。実際私も、対外的には親は「父、母」と続柄で呼ぶんだ、なんてことは成長してから覚えたことですし、そういう意味で、呼び名なんていくらでも変わるものだということも理解しています。

 でもやっぱり、しっくりこない。どうせ最後におとうさんおかあさんと呼ばせるなら、最初から。

 このこだわりが災いして、娘は我が家に「パパ」「ママ」なる者は存在しないと思ってしまったようです。保育園で〇〇ちゃんのパパ、ママとみんな呼ばれているのに、家にいるのは「おとうさん」と「おかあさん」。パパママと同じなのだと教えられても、じゃあなんでみんなはおとうさんおかあさんじゃないの? と混乱してしまう羽目に。

 こんな葛藤は本当に最初だけのもので、しゃべり始めてから1年近く経った今となってはもうケロリとしている娘ですが、親のエゴが子どもに与える影響はとても大きいという部分だけは、これからも忘れないようにしようと思っています。

 「おとうさん」が最初言えなくて、「とうっ」と呼ばれていたのも、これはこれで悪くない思い出ですしね。

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