スタジオ・ジャパン!(2/15復活)

架空のテーマパークを紹介するコーナーでした。
読みは鷲崎さんが担当。

以下、作例です。


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『新撰組スタジオジャパン』

来年の大河ドラマにあわせて作られた新撰組のテーマーパーク。
しかし、入場ゲートで手渡されたパンフレットには、でっかく「討ち入りでござる!!」の文字が。
案の定、入ってすぐ、待ち構えていたアトラクションは「江戸城・松の廊下」。
とりあえず入って、長い廊下を渡っていると、背後から裃姿に扮した従業員がやって来て斬りつけられた。痛い。

この他のアトラクションも、
・「屏風の虎を捕まえよ!」などの将軍様の無理難題をとんちで切り抜ける。
・あの手この手でウグイスを鳴かせる、あるいはたたっ殺す。
・片道分の燃料だけ積んだ飛行機で特攻を仕掛ける。
・天竺にありがたいお経を取りに行く。
・白い鯨を追う。
・黒いレイバーと戦う。
・青い鳥を探す。
・赤ずきんちゃんご用心。
・緑のたぬきのかき揚げで作ったセーター。
・黄色い声をはりあげている蟹江敬三。
といったものばかりで、関係者が新撰組を知らなかったでは説明しきれないものがならんでいた。

なお、敷地内のホテルでのアトラクション「吉原炎上」が予想以上の勢いだったらしく、今は焼け野原となっている。
しかし、「再建中。今度は大丈夫。『るろうに剣心』読んだから。」という看板が立っており、また燃えてしまえと思わずにはいられない。

<2003年11月13日送信>


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『ノストラダムスの大予言スタジオジャパン』

ノストラダムスの大予言スタジオジャパンに行ってきました。
すでに80年代初頭には企画が立ち上がり、91年の完成を目指していたこのテーマーパーク。
工事が始まる寸前に日本中、いや世界中のノストラダムス研究者から「なんで俺の学説に基づいたアトラクションを置かないのだっ!」という抗議が殺到、計画は長いあいだ頓挫していました。
しかし、経営陣がブチキレテ「じゃあ全部つくってやらあ」と言っちゃったために工事再開。この度、完成までこぎつけ、オープンニングセレモニーが行われる運びとなりました。いまさら。

オープニングセレモニーはアトラクションの原案者、つまりは世界中のノストラダムス研究者たちによる挨拶とテープカットで始まる予定でしたが、ほとんどの研究者が出席拒否あるいは消息不明となっており、出席した幾人かの研究者の「ほんとは2005年!来るから!気をつけて!恐怖の大王!絶対!」という絶叫ばかりが寒空に響く幕開けとなりました。

アトラクションは3Dなどが多用され、それぞれの説に基づいた99年7の月が体感できるというわりあいオーソドックスなものでした。宇宙人の侵略、核戦争の勃発、人工衛星の落下、小惑星の衝突、コンピュータの暴走、グランドクロスによる自然災害の発生などは、なかなかよく出来ており「今2003年」ということさえ忘れてしまえば、楽しめる内容といえるでしょう。

しかし、「馬に乗り弓矢で武装したソ連軍が攻めてくる」というのは、さすがに納得できませんし、「南極に逃げ延びたナチスと生きていた山本五十六が世界征服に乗り出す」というのもどうかと思います。
「32世紀の光の未来人が闇の未来人の介入を止めるためにやってくる」は本編の前に原案者しかわからない解説図を出されて延々40分にわたる説明がつきます。
この他、「奈良の大仏が動き出す」「キラーカーンが大活躍」「匂いの出るテレビが出来る」「コミケ会場爆破」「俺、総理大臣」「お父さんが怒る」「もうウンコはもらさない」等々、どうでもいいアトラクションが多すぎます。
また、なんというか、アグレッシヴな人種意識や宗教観が反映されすぎていて下手な感想が書けないアトラクションも多すぎです。

マスコットキャラクター恐怖の大王ちゃんはこれまた研究者たちの「俺の考える恐怖の大王はこうだっ」ってのをブチキレテ「じゃあ混ぜてやらあ」でつくったとしか思えないもので、焼肉食ってから泥酔した人が、ケースをはずしたパソコン本体にゲロを吐いたような見てくれです。

行く前にアトラクションを選定し、マスコットと目を合わせないようにすれば、それなりに楽しめるかもしれません。

追記
アトラクションでやたら「何だってー!?」と叫ぶ一団がいました。MMRかも知れません。キバヤシが見たい、本場の「なんだってー!?」が聞きたいという人はお早めに。

<2003年12月13日送信>

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