見逃すことのできない間柄ながら果物の檻のようなぬめり気

指図するその口角に付着した泡の中には微量の酸素が含まれていて、ぼくはそれを糧とする甲殻類だったような気がする。鳥鳥鳥エトセトラエトセトラで埋め尽くされた鍵盤から深夜、ミとシの和音が鳴りわたるのをベッドではなくソファで耳にした。テントの代名詞としてソファを充てることで会話は少し窮屈になり、その分インドアな性向を帯びる。情けないほど皺のついた半紙で糸を断つこと。尊ぶことの容易ではない高低差。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?