POG下位候補 5頭

この5頭は「楽燕カップでは指名が回らないかもしれないけど、一発重賞級であっても不思議じゃない馬」くらいのラインを狙って書いてみました。



ストーンフェンス  牡  3月7日生まれ

父 Exceed And Excel
母 Ishitaki
母父 Interprete
生産 Godolphin
馬主 ゴドルフィン
厩舎 美浦・高柳瑞樹

母は亜GⅠホルヘデアチューチャ大賞(2歳牝・ダート1500m)と亜GⅠエリセオラミレス大賞(2歳牝・芝1400m)を勝った、アルゼンチンの2歳牝馬チャンピオン。そこに欧州やオセアニアでも実績を残す、世界でもトップクラスのスプリント系種牡馬Exceed And Excelを配し、誕生したのが本馬です。
現3歳の半姉Ickworthはデビューから2連勝。愛LファーストフライヤーS(2歳・芝1000m)を勝利し、活気に溢れた牝系です。

以前もツイートしましたが、ダーレーはExceed And Excel産駒を多数来日させています。これはダーレーが初期に導入したエクセルシオールの成功も影響しているでしょうし、近年顕著な芝短距離戦線でのゴドルフィンの躍進をさらに…という意図もあるでしょう。そしてエクセルシオールも本馬と同じく、母が重賞勝ち馬のExceed And Excel産駒でした。

「ゴドルフィンの外国産馬」は、木村厩舎や中内田厩舎の管理馬の人気が予想されますが、この馬ならマークは緩むはず。
高柳瑞樹厩舎×ゴドルフィンは、ケープコッドがOP特別を2勝し、二ノ宮厩舎の解散に伴い転厩したゴールドスミスをダートで復活させるなど、ここ数年関係強化が目立つチーム。本馬も既に入厩しており、おそらく洋芝適性を見込んで函館から札幌を目指すことになるのでは。

距離に限界を見せる可能性は高そうですが、良血度とチームの強さに比べ人気は落ち着くでしょうから、下位で期待したい一頭です。


クラフトマンシチー  牡  4月9日生まれ

父 オルフェーヴル
母 プレザンサプライズ
母父 Shamardal
生産 杵臼牧場
馬主 友駿ホースクラブ(2000万円)
厩舎 美浦・相沢郁

今年はブラックホール(GⅢ札幌2歳S)、ビターエンダー(LプリンシパルS)と、ダービー二頭出しの相沢厩舎です。実はこの二頭は「ステイゴールド系+吉澤ステーブル本場育成」という共通項があります(ちなみに厩舎の3歳世代獲得賞金4位は吉澤社長の所有馬)。相沢厩舎はマイネルミラノやアイスフォーリス、ペルソナリテなどステイゴールド直仔を得意とした厩舎で、吉澤ステーブル育成初のGⅠ馬ウメノファイバーを管理した厩舎ですから、これは納得のニックスです。

クラブの近況を見ると直近の移動はなさそうですが、速いところは乗れているのでさほど遅くはならないでしょう。ビターエンダーも初勝利は11月でした。
配合的にもHaloの多重クロスに加え、Lt. Stevens=Thongでエレクトロアートの増幅を企図したのは興味深いところです。満口になっていない馬なので、プロフィール的には下位でも指名できるでしょうし、一口でも夢のある馬だと思います。


ロードシュトローム  牡  4月7日生まれ

父 マクフィ
母 オーシュペール
母父 ダイワメジャー
生産 ケイアイファーム
馬主 ロードホースクラブ(2300万円)
厩舎 栗東・清水久詞

とある配合大喜利に参加した際、ダイワメジャー肌にはDubawi系を猛烈にプッシュしてみました。マクフィやモンテロッソなどDubawi系種牡馬とダイワメジャー産駒の繁殖牝馬は、ニックスの間柄になると予想しています。本馬は指名馬確定済みの某POGでも指名しました。

マクフィ産駒は既にアールブリュットが4勝をあげる活躍を見せていて、親和性の高さがうかがえます。本邦導入初年度となる現2歳世代の産駒は、3頭がデビューし1-1-0-1。4着だった門別のエムオーシャトルも猛烈なテンのスピードを見せ、強い勝ち馬にびっしりマークされての結果ですから、いずれ活躍してくるでしょう。産駒たちは高い素質を見せ始めています。

父マクフィの産駒は欧州やオセアニアでも活躍していて、日本の地方のダートも問題なさそうで高い汎用性があるあたりは、いかにもDubawi系らしいところ。本馬も芝だけではなくダートにも期待できるでしょう。

近況でも脚力の高さを感じさせるコメントが出ており、早期からの活躍に期待しています。


サトノアイ  牝  3月8日生まれ

父 ハーツクライ
母 キャッチザカクテル
母父 Catcher In The Rye
生産 三嶋牧場
馬主 サトミホースカンパニー
厩舎 栗東・須貝尚介

丸ごとPOGや青本にちょっとだけ情報が記載されていました。こういうご時世なので、内容を知りたい方は立ち読みではなく買って読みましょう。

母キャッチザカクテルはダート2000mの3歳牝馬重賞である亜GⅠセレクシオンデポトランカス大賞(通称ラプラタオークス)を勝利しました。母父のCatcher In The Ryeは、アルゼンチンの人気種牡馬です。

以前このようなエントリーを書きましたが
父ディープインパクト×母ダート馬 2019
幼い頃はやや非力でトモが流れがちなハーツクライにも母からのダート的パワーの注入はもちろん有効で、アメリカで芝とダートのGⅠを勝利し今年から種牡馬入りしたYoshidaを筆頭に、現3歳世代もマイラプソディやシンプルゲーム(2勝)、ほかにもヒシイグアスなど、活躍馬が目立ち始めています。

これらの馬はハーツクライ産駒なだけにやや奥手なところがあるのは否めませんが、 マイラプソディの活躍はこのパターンの更なる躍進を予感させます。本馬の場合は母がデインヒルを含むDanzig3×4なのも良く、能力の開花がPOG期間に間に合った際の飛距離を考えれば、この情報の少なさは逆に魅力です。サトノワルキューレのような成功のイメージで。


ハイエログリフ  牝  2月21日生まれ

父 キズナ
母 シラバリー
母父 Street Cry
生産 富田牧場
馬主 カナヤマホールディングス
厩舎 栗東・池添学

デビューはそんなに早くないとのことですが、これはシンプルに配合狙い。母がMachiavellian=Coup de Genieの2×3という強烈な配合で、しかも名血のクロスなだけに、いかにも良繁殖牝馬感。

キズナの初年度産駒は地方交流も含めると既に6頭の重賞馬を輩出しており傾向も様々ですが、うちGⅡ京都新聞杯勝ちのディープボンド、GⅢ京成杯勝ちのクリスタルブラック、GⅢフラワーC勝ちのアブレイズと、半分の3頭がサンデーサイレンスを経ないHaloのクロスがある点は注目できます(内2頭がタイキシャトル経由)。
既に2勝のクリスティが出ているサンデーサイレンスのクロスの活躍馬もいずれ増えるでしょうが、しばらくはここに網を張りたいところ。

日本だけでなく、アメリカ、ヨーロッパ、オセアニアでもMachiavellianの重要性は日に日に増しており、 この繫殖牝馬の産駒とは今後も良いおつきあいをしたいです。

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