天気の悪い休日。

もうそれだけで何もやる気が起きなくなる。
せっかくの休みなのに天気が悪い。妻は洗濯が捗らないと不機嫌になり、
挙句の果てに僕の布団で昼寝。おかげで僕はこの文を書いていられる。

ネガティブな印象でしか無いと思われる天気の悪い休日。
天気が悪いというだけで「何もしない」ということを正当化できる。
これは怠け者の僕にとってはとても助かること。
何もしないでいい日があるのなら率先して何もしない。
ぼーっとしてる事が仕事になってお金をもらえるなら、僕は大金持ちになれる。
無意味なことを考えたり妄想したりすることだけは子どもの頃から大好きだった。

思えば小さい頃から僕は周りに「自分の行動の意味」を問い詰められてきた。
自分の意志とは関係ない行動までも、周囲は僕に対して問い詰めてくる。
これはキツい。実に窮屈。
僕は何故か左利きである。これについては僕の意思ではない。
気がついたら左利きだったとしか言いようがない。右利きの人にとっても同じことが言えるだろう。自分の利き手がなぜ右だったり左だったりを完璧に説明できる人がいるのだろうか?
「お前はなぜ左で字を書く?」
「左利きは天才が多い、お前はなぜ天才ではないのだ?」
「なぜお前はみんなと同じ事をやらないのだ?」
ずっとそんな問い詰めを受け続けてきた子ども時代。
僕は無言でうつむくしか出来なかった。
たまにうつむいたまま僕を問い詰める大人たちを見上げると、
その目つきが生意気だと、頬を叩かれた。
誰だってうつむいたまま上を向けば目つきは悪くなる。
そんなアタリマエのこともわからずに大人たちは頬を叩く。

一体何の話だっただろうか?
そう、天気の悪い休日だった。
子どもの頃、天気の悪い休日は好きだった。
なぜならば、高圧的な父親に外で遊べ、みんなと野球をしてこい、
などと言われずに済むし、もっとラッキーであれば父親の休日出勤と重なったりするわけで、そうなったら僕は一人部屋に籠もり好きなだけぼ〜っとして、
ときに本を読んだり音楽を聴いたりする、愛すべき時間を過ごせるのだ。

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