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ジェンダーを考える

久しぶりの更新です。今回は少し真面目なお話をしようと思います。前々から興味はあったものの触れてこなかったジェンダーについて、独学で勉強してみようと思い、本を買って読んだので、そこで自分が考えたことも含めて書いてみようと思います。

最初は新書のようないわゆるガチガチのジェンダー論の本を読もうと思っていたのですが、書店で先に目に入ったのがこの漫画形式の本で、これなら初めてジェンダーについて考える本としてもいいかもしれないと思い、購入しました。

写真左の「学校では教えてくれない「セクマイ」の話」(著:新井 祥)では、主にセックスマイノリティ(性的少数者)のことについて、新井さんご自身の話や新井さんに寄せられた相談などをベースに描かれています。いわゆるLGBTの話や、インターセックス、自分の性的指向を保留するという話まで、様々な話が掲載されていて、様々な人がいるということが分かりました。新井さんご自身はインターセックスという体質だそうで、私はこの本で初めてインターセックスという言葉を知りましたが、正直まだ理解できていない部分があります。理解を深めるということについては、これから他の資料をあたっていこうと思っています。
この本で良かったところは、登場人物の明るさです。私はこれまで、セクシャルマイノリティの人は悩みが多くて生きづらくて苦しんでいるというイメージがありました。もちろん世の中にはそういう人もいるとは思いますが、この本には自分の性自認や性的指向を受け入れてそれも含めて自分らしさというか、1つの個性となっている感覚がいいなと思いました。あとは、性自認や性的指向は変わることがある、というか変わってもいいというのも新しい発見でした。

写真右の「ぼくは性別モラトリアム」(著:からたちはじめ)は私にとってシンパシーとエンパシーの連続で、もっと早く出会いたかったと思う本でした。からたちさんは女性として生まれ、男性的な生き方に憧れ、男性になりたいと思っていましたが、本当に男性になりたいのかを考えた結果、女性ではない何かになりたいという結論にたどり着いた方です。これはいわゆるLGBTとは違う、というかこの4つに当てはまらないもの、強いて言うならLGBTQAのAに近い考え方です。私がシンパシーとエンパシーの連続だったというのは、私自身も男性的なものに憧れを抱いてきた、というか女性的なものに苦手意識があるからです。一番は服装です。スカートは私服では1着も持っていないですし、いかにも女性らしい格好には抵抗があります。中高では制服でスカートを強制的に履かされるわけですが、せめてもの反抗心と、中学の掃除時間の謎の習慣(掃除時間は女子生徒はスカートを脱いで体育ズボンで掃除を行う)で、スカートの下には必ず体育ズボンを履いていました。今は仕事の制服でスカートを履きますが、さすがに体育ズボンは履いていません。女性でいることが悪くないなと思えたのは20歳くらいの時で、それまではずっと男に憧れていました。今でも全くないわけではないですが、女性として、男性的な格好をしているくらいがいいと思えるようになりました。髪を伸ばしたり、ピンク色をいいなと思えたり、恋愛に興味を持ったり。高校までの自分はこういう、まわりの女の子が当たり前にやっていることを当たり前だと思えませんでした。正直それで悩んだことはないですが、普通じゃないんだろうなとは思っていました。だからこの本を読んだときに、同じ事を考えている人がいるんだと驚きと喜びを感じました。近年LGBTという言葉が浸透してきていましたが、私はその言葉を見聞きしたり、それに該当する人々を見るたびに、LGBTにも当てはまらないしいわゆる一般的な男女でもないこの感覚は何なのか、マイノリティにすら入れてもらえないこの感覚は存在しないのか、と思ったりしていました。これと全く同じことがこの本には載っていて、自分だけではないということに安心しました。タイトルの"性別モラトリアム"という言葉もとてもいいなと思いました。1冊目では"セックス保留(略してセク保)"という言葉が使われていましたが、確定させないことを許容する精神に惹かれています。確かに決めてしまった方が、楽だったりまわりからの扱いもされやすくなったりするんだろうなとは思いますが、からたちさんのように、女性ではない=男、という固定観念から解放されて、女性ではない何かという、男女の2択の向こう側を見つけたら、確定していたものが揺らいでくることになります。そうなるとまた1から説明しないといけなくなるし、女性ではない何かって何?みたいな話になってくるので、理解は遠くなるばかりだと思います。生まれたときの性別は2択しかないのかもしれないけど、性自認や性的指向、男女では分類できない感覚がもっと共有されればいいのになと思いました。

これまで2冊を読んだ感想や、自分の性に対する考え方を述べてきました。私は女性ですが、男性的なものに憧れがあって、性的指向は正直まだよく分かっていないというのが本音です。LGBTについて考えようというのは最近増えてきているけど、それにも当てはまらない人もいるということ、例え少ないとしても、それは存在しない感覚ではなく、まだ名前がついていないだけで、おかしいことではないということが分かっただけでも、この2冊に出会えてよかったと思っています。今後は少しアカデミックなものや、逆にステレオタイプな男女についても詳しく知りたいと思っているので、またインプットを深めてアウトプットに繋げられたらいいなと思います。難しくてややこしい話だったと思いますが、最後まで読んでくださりありがとうございました。

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