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最近「Neo Trance」ヤバくね?

はい皆様こんにちはDee-Sです。今回は4つ打ち系ダンスミュージックで新たな潮流というかリリース量が格段に増えている「Neo Trance」について解説していきます。自身のDJスタイルにもう一つアクセントというか取り入れることで新たな世界を表現したいと願っているDig魂に溢れたDJの皆様や、「最近どのジャンルも形骸化しつつあって、新しい刺激が欲しい」とお思いのリスナーの皆様に是非読んでいただきたい内容です。

そもそもNeo Tranceって何よ?

最近このNeo Tranceの定義については海外でも白熱した議論となっておりますが、ざっくり説明すると「一般的なTranceはBPM130台から140台に対してNeo TranceはBPM120台から130台、曲調についても一般的なTranceはUplifting基調に対し、Neo TranceはDarkside基調、Neo TranceはTrance勃興期の90年代初期を思わせるような雰囲気を持っているのが特徴」という感じで個人的にはY2K期のProgressive HouseのようなDarksideさを今風に落とし込んだように聴こえるので「新しいけど何か懐かしい」という感覚になるものをNeo Tranceとして解釈しております。

ではNeo Tranceの起源ってどの辺りからなんだろう?なんて思うんですけど自分が把握している流れでは2つの方向性から合流して今の形になってきたのではないかな?と考えております。1つはMelodic House/Technoの新しい流れ、もう1つはRe-Editによる往年の名作リバイバルがカルト的にヒットしたという流れです。基本的にトレンドというのは、ある曲のヒットから2匹目のどじょうを狙うように続々とリリースされていきます。そのトリガーとなる曲を自分の記憶を辿ると、この辺りがトリガーになっているのではないか?と考えております。

James Holden - A Break In The Clouds (Main Mix)

この楽曲はIDM(Intentelligent dance music) の代表作としても知られる名作中の名作なんですが、この辺りがまず登場したことによって、新たな世界の始まりを示唆していると考えています。その後、このBorder Community界隈の登場でIDMとして進化をするのですが、イマイチこの流れはメジャーヒットへの流れに乗れず、その後、急速にシーンが縮小化していきました。

その後、Melodic House/TechnoというジャンルがProgressive House、Trance、Techno界隈の合流により誕生し、ほどなくしてこの曲がアンダーグラウンドでは異例の大ヒットしたのが本格的なNeo Tranceのシーンの始まりのような気が個人的にはしています(諸説ありますが、今の形に一番近い作品としてご紹介します)

Monolink - Return To Oz (ARTBAT Remix)

この辺りのヒットから今のNeo Tranceが勢いづいて、レーベルだとAfterlife辺りなんかがNeo Tranceシーン拡大に貢献してきたと考えています。この曲もTrance要素をしっかり持っていて、かつDarksideな展開でひたすら淡々とクールに纏め上げている傑作中の傑作だと思います。

メジャーヒットで現在のNeo Tranceに限りなく近いタッチだと、この辺がモロにNeo Tranceを意識した作品ではないかな?と思います。

The Weeknd - Take My Breath (Agents Of Time Remix)

元々80年代を彷彿とした作品が多いThe Weekndがこの手の作品をリリースしたことで自分もかなり驚いたのを記憶しています。「完全にNeo Tranceじゃないかコレ」となってリリース直後からヘビロテしまくりました。

そして定期観測確定したのが2021年頃で、この辺りから急速にクオリティの高いNeo Trance作品が登場し、いよいよBeatportでもカテゴリ分けをする必要性を感じたのか「Trance (Raw/Deep/Hypnotic)というカテゴリが新設、多くのNeo Trance作品が格納されるようになりました。

もう1つの流れが意外なところから登場したのも見逃せません。それは「Re-Edit」です。元々Re-EditはNu Disco(Disco Dub)で盛んになっていたもので過去のDiscoヒット曲をDJライクに再構築するのが主流でしたが、あるアーティストが過去のTranceヒット曲をRe-Editしたものがカルトヒットしてにわかに注目されることになり、結果Anjuna Beatsと契約することに。そのアーティストは「Trance Wax」です。

Trance Wax

このTrance Wax、元々限定〇〇〇枚でリリースする小規模カルトレーベル「Tusk Wax」のシリーズで「Trance Wax」としてリリース。往年のTrance作品をモダンにRe-Editした作品「Trance 1」がカルトヒットしたのをきっかけにTrance 9までをリリース。その後、Anjuna Beatsがこの異様なまでのヒットを見逃すことなく契約。当時アナログで違法にリリースされたものをキチンとライセンスをクリアしてAnjuna Beatsで再発しているので過去作品もデジタルで購入することが可能です。なお、どうしても原盤で欲しい方はDiscogsで購入してみて下さい。アホみたいに暴騰していますけどw

現在進行形Neo Trance系アーティスト

Neo Tranceシーンで気になるアーティストも数多く登場し、Neo Tranceの流行でMelodic House/Techno系からNeo Tranceに作風を寄せ気味なアーティストも続々と増えてきました。自分が最近チェックしているアーティストはこの辺りです。クドクドと説明するのも野暮なので作品リンクを張り付けておりますので、どんな作品をリリースしているのかはリンク先(Beatport)でご確認いただければ幸いです。

Basil O' Glue

Basil O Glue

Basil O' Glueの作品はコチラをクリックするとBeatportのリリースページにジャンプします。

ARTBAT

ARTBAT

ARTBATの作品はコチラをクリックするとBeatportのリリースページにジャンプします。

Cristoph

Cristoph

Cristophの作品はコチラをクリックするとBeatportのリリースページにジャンプします。

Jerome Isma-Ae

Jerome Isma-Ae

Jerome Isma-Aeの作品はコチラをクリックするとBeatportのリリースページにジャンプします。

Protoculture

Protoculture

Protocultureの作品はコチラをクリックするとBeatportのリリースページにジャンプします。

Dee-Sのおススメ「Neo Trance」作品

私Dee-Sがこの記事を執筆した2024年の段階でDJで使いまくっている現行Neo Trance作品で分かりやすいヤツを5作品選んでみました。大体この曲をピークタイムで使うとフロアでバチクソ盛り上がますね。そもそも近似しているMelodic House/Technoって日本でそこまで流行っていないしNeo Tranceなんかも全然一般的にはなっていなサブジャンルですが、自分が主宰するパーティーでは喰い付きがかなり良いです。もっとNeo Tranceムーヴメントが日本で拡大すると良いなぁ、なんて思ってはいるのですが。そもそも野外とか大箱との相性が抜群に良い音楽ですしね。

D*Note - Shed My Skin (Cristoph Remix)

Protoculture - Starfield (Extended Mix)

Kolsch - All That Matters (ARTBAT remix)

Jerome Isma-Ae & Alastor - String Of Lights (Original Mix)

John Summit & Hayla - Where You Are (Gorgon City Extended Remix)

Neo Tranceの世界、いかがでしょうか。勿論好き嫌いハッキリ分かれるサブジャンルですが、2024年現在もかなりのリリース量で自分も追いかけるのが非常に大変なくらいです。基本的な考え方としてリリース量が多いサブジャンルは結論として「アツい」というのは揺るぎない事実です。筆者Dee-Sが強力プッシュするこのNeo Tranceの世界、これから更に大きなムーヴメントになることを期待しています。

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