研究とアスリートケアとの狭間で エビデンスとアスリートにとって最善のアプローチへの方向性


現在の医療ならびにスポーツ医科学では「エビデンス」という大きな存在があり、時にそれが選手との溝となる場合もあるのが現状です。

エビデンスとは科学的根拠です。

そのエビデンスという根拠をを特定の患者、クライアントに対してどのように適用できるかを判断されて基本的に現在の医療は提供されています。

これはトレーニングやリハビリの分野でもエビデンスベースドプラクティスという形にで進められています。

当然いわゆる「とんでも」というトレーニングや治療法を施すのはプロではありません。

そんな中世界では完全にエビデンスが確立されていない新たなシステムやテクニックがどんどん出てきています。

それを取り入れて結果を出している選手達も多くいます。

実際のケア、トレーニングにエビデンスは必要ないのか?

これはこの世界の関わる人達の大きな疑問です。

当然色々な要素があるために特定のケアやトレーニングだけを行なっていたという事はあり得ず、それ自体が好結果を生み出したか?と断定する事は出来ません。

関わった選手で呼吸系のアプローチを取り入れ本人の中で変化を感じメディアに取り上げられて呼吸アプローチで劇的改善!みたいな印象をもたれたという事がありましたが、それ以上に多くのもっと地味な事や要素を改善していた基礎がある事はインパクトがありません。

エビデンスベースプラクティスには科学的根拠ー提供側の経験ー患者クライアントに有益な事で構成されます。

http://libguides.csu.edu.au/ebp

このバランスの上で選択されたケアやトレーニングが提供されるのが理想です。

根拠だけで患者クライアントに有益なものでなければ意味がありませんし、「自分はこの手法で何万人も改善してきた」と豪語しても経験のみでは信頼できる手法とは言えません。

根拠がないものを提供して責任が取れるのか?

かと言って根拠に固執して目の前の問題や改善できる可能性を見逃してしまっていいいのか?

為末大

「研究者は何が正しいのか?を追求し競技者は何が機能するかを追求する。」

正にその通りだと思います。

研究は統計の元に成り立ちます。

その為有効性があるゾーンないゾーンが様々な要素が絡み合って影響します。

研究に入り始めの時期にこのような事を言われました。

「我々が経験で感じた事は大方正しい。

しかし我々は時として大きな勘違いをする。

それを精査するのが研究だ」

経験則によるアプローチが機能する可能性も多々あります。

しかし本当に機能するか明確にならないとエビデンスとしては不足していなす。

例えば脚が上がりにくくハムストリングが硬く感じるという場合。

エビデンスに拘ると骨盤が前傾傾向でハムストリングをストレッチすれば脚は上がりやすくなる。となるでしょう。

実際にスポーツの整形外科にかかると主だった診断名がないとそのような対処になるかと思います。

しかしアスリートは良くならない→アスリート迷う。。。


実際の現場では網様体脊髄路でハムストリングが抑制されている。

拮抗筋抑制がかかっている。

過去の障害により脚を上げる動作が抑制される。

腹部内圧の影響で関節が求心化されず上がりにくくなっている。

などエビデンスには不足される部分の影響が多々出ます。

そこで例えばコメディカルやトレーナーが眼球運動でアプローチをしたとします。

アスリート良くなる→メディカルドクター側から胡散臭い事をするな→アスリート効果が一過性だった→アスリート迷う

どちらがいいのでしょう?


アプローチのエビデンスを構築すべく医学の研究をしようとなるとデザイン構築〜実験〜倫理審査〜計測〜解析〜論文となると途方も無い時間がかかります。

今日明日結果が欲しいアスリートにはそんな時間は待てません。

科学的根拠>科学的に妥当だと考察される>経験則>(独自のトンデモ理論は問題外)

目の前に困っている選手がいてまだエビデンスの薄いものを提供したら改善出来る可能性がある。

あなたはどうしますか?

私は臨床家がバックグラウンドでその経験から現場で感じたものを研究したいと研究しています。

その立場だと現場にいる人間としてはアスリートの心情を考えてしまいます。

なので私であればエビデンスが薄くても提供します。

その基準はアスリートの人生、競技人生、侵襲性、その後の影響。

それらを基準にしています。

真にアスリートに必要なものはこちら側からは分かりませんが対話をし、最善を尽くす。

そんな存在でありたいと個人的に思っています。

またスポーツ医学はより多角的な考察をし、現場の人間は一次情報でエビデンスを把握する。これは相互に重要だと思います。

皆さんはいかがですか?

今ゆっーーーーくりとしたペースで今までの臨床家としてのまとめの記事を書いています。ご期待ください。それまで無料記事など時間があるときにアップしていきます。


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お読みいただきありがとうございました。
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アスリートのケアをし続ける事20年近く。MLBプレーヤーからプロ野球、Jリーガー、オリンピアン、日米でのアスリートケアの経験と知識をシェアします。 また5年前より研究を国立大学研究生、現在医学部にてスポーツ障害の研究をしている立場から現在のスポーツ障害の多角的な情報をシェアします

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