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ファンクショナルメディシンを考える

ファンクショナルメディシン(機能性医療)
聞いたことはあるでしょうか?

使用されやすい言葉の繋ぎ合わせなので似たような名前のものが沢山あるかもしれません。
この5-10年でかなり世界的に流行りつつある医療のシステムであり考え方です。

アメリカではいくつかのファンクショナルメディシンの資格があり、MD,DO,DC,など医療系資格の人間が受講しています。
私もその資格のうちの一つを3年前から受講し資格も所得しました。
台湾の知人の整形外科医もこのファンクショナルメディシンに注目して昨年から病院で活用しているようです。

ファンクショナルメディシンとは
ファンクショナル・メディシンとは診断学に盲目になってしまう画一的な医療ではなく、個々の特性を考慮し、その隠されたメカニズムを多角的に考察しアプローチをして問題を解決に導く医療のシステムとアプローチ法です。
ファンクショナルメディシンが一番効果を発揮するのが不定愁訴であり、慢性疾患です。
例えば不眠、頭痛、お腹の調子が悪い、倦怠感、やる気が起きない、集中できない。
など病名になるものやならないものまで体の不調となるものです。

病気がない≠健康
という事にはならないかと思います。
病気としては診断にならないけど健康的な生活を送れない。
そんな人の問題へアプローチをしていくものです。
また病名がついていたとしてもその根本の原因を抑えないと効果がない場合、その大元を探りアプローチをしていきます。

例えば貧血で病院に罹ったとします。
血清フェリチンなどは正常範囲よりほんの少し悪かった場合、普通であれば鉄が処方されるかもしれません。ファンクショナルメディシンではまずなぜ鉄が足りないのか?を探ります。
例えば食べ物、グルテンなどにアレルギー対応があると鉄だけではなく食べ物の吸収はさがります。
その場合はその吸収できない状態がなぜ起こるのかを探り、排除し必要であれば栄養を付け足すということを行います。

問題が起こる大きな要素として
消化吸収
免疫機能
ホルモン
細胞運搬
エネルギー生成
肝臓などでのデトックス
構造的な統合性の問題
などがファンクショナルメディシンで探っていくところです。


まず指標とする要素は大きく3つです。
1、「体の状態がどのように感じているか?」
主観的に自分の体の感覚や状態を表現します。
当然無症状の人もいますし、普段と何か違う変化を訴える人もいます。
それは一つの重要なサインです。
2、体組成
体重、体脂肪、BMI
色々と体形の目安となる数値はありますが、例えば身長160㎝体重50kgの女性で体脂肪が30%であれば健康的か?というと完全に「否」ということになるでしょう。
身長170cmで85kgのボディビルダーのBMIが29(軽度肥満1)が太っているかというと「否」となるでしょう。
重要とするのは体組成です。筋肉がしっかりあり、適度な脂肪を蓄えた体が一番健康を維持できる体です。
食生活を気を付けていても何故か体脂肪が増えてしまったり、運動をしっかりしていても筋肉がつかない。
その理想的な体組成を維持できない原因がどこかに潜んでいるかもしれない。そのサインを体組成から見つけていくのも重要です。
3、血液検査
病理的に問題になる数値になることにより疾病と判断されますが、ファンクショナルメディシン。機能的に考えるとその時の数値も勿論重要ですが、その変動であったり、その他の数値とのバランスという事も重要視します。
当然血液検査のコストがかかるので完全推奨は難しいかもしれません。しかしながら簡易なアレルギーの血液検査などは数千円レベルで行える病院も増えています。
ほとんどの方は血液検査の結果が問題がなかったり、結果を無視する傾向にありますが、やはり問題の原因となるトリガーを見つけるというという事は健康的に生きていく目的のためには有効かと思います。
特に食べ物のアレルギーなどは検査しておくのは良いでしょう。
「You are what you eat」
あなたは食べたものでできている。
一時期流行った表現ですが、これは真理です。
人間の細胞は日々生まれ変わりますが、その細胞を生み出してターンオーバーさせるには「食べ物」が大元となります。
日々体が抵抗するものを知らず知らずに口に入れていくとほんの僅かな体の悪い反応が少しずつ積み重なりいつか目に見える形や体に感じる形で出てきます。
血液検査はいきなり抵抗があるという方は簡易にいくつか試したのちに検査を行うというのも良いかもしれません。
1、主観的に食前食後の体の感覚をみる。(膨満感など気持ち悪さ)
2、あやしいと思う食べ物を口にして物を握って握力の変化をみる
3、食前食後で心拍数を測る(毎分で10上がると食べ物が合わないと言われています)
食べ物アレルギーの話しは詳しく後ほど行います。

体がそのような悪いものへの抵抗に対して重要なのが「免疫システム」です。
コロナ禍で注目されていますが、色々語弊もあると思いますが「免疫力」ということが注目されています。
その免疫システムは物質の伝達屋の微細栄養素と体のガードマンの抗酸化物質が必要となります。
体が悪いものに対して抵抗するためには防御壁が必要になります。
その防御壁を突破されたら疾病という体の状態になるわけです。
病気になったら薬を飲みますが、それはまさに防御壁を突破された悪者に対して攻撃をして抑えるという事になります。
当然防御壁が厚く強い場合は悪者が突破できないでしょう。その防御壁を強くするために体の免疫システムを強化することが必要なわけです。

防御壁を弱めてしまうのがSTAMPの5つです。
S Stress ストレス
T Toxic 有害物質
A Allergy アレルギー
M Microbe 微生物
P Poor diet 食事の問題
です。

これから一つずつそのSTAMPを説明していきます。

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