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膝の学会のホットトピック ACL, ALL, ALC,LET?

膝の学会のホットトピック ACL, ALL, ALC,LETとはなんぞや?

HakuさんのXより

https://twitter.com/haku_paramedic/status/1726377070153056591

・Graft選択はHam8割BTB2割BTB1.5割Quad2%Allo1%人工靱帯×
・ACL Bandの議論は終わった(みんなSingle)
・ALLやLETがトピック
・ACL Repair結構やられている

情報共有ありがとうございます。

ISAKOSはInternational Society of Arthroscopy, Knee Surgery and Orthopaedic Sports Medicineですが、オーソライズされた膝の学会です。
https://www.isakos.com/

ACLの術法やリハビリなどは年々変わることが常ですが、現在のトレンドや現状を把握するのは医療コミュニケーションとしても重要ですね。

ホットトピックに触れます。

ACLは言わずと知れた前十字靭帯ですね。
脛骨の前方スライドの保護、脛骨回旋のコントロールを担うとされます。

ALLはAntero Lateral Ligament=前外側靭帯で、19世紀には発見されていましたが、この10,15年くらいに再度注目されてきた靭帯でしょうか。
大腿骨と脛骨の外側に位置し、内旋に対する抵抗をし回旋の安定性を担う組織の一部として知られるようになりました。


そのALLも含まれるのがALC=Antero Lateral Complex 前外側複合体という組織です。ALCの主要な組織として考えられるのがALL、と関節包、そしてカプラン線維と呼ばれる大腿骨と腸脛靭帯の間くらいに位置する線維です。
(この部分ランニング障害などで頻出する部位です。カプラン線維は近位と遠位に分けられますが、大腿骨よりに位置し腸脛靭帯と線維融合する部分もあり腸脛靭帯炎にも関わるとされます。)
ALCは回旋の安定性を担うため損傷とともに不安定性を伴います。
このような不安定性をALRI=Anterolateral Rotetional Instability 前外側回旋不安定性と呼ばれます。
このALRIがあるとACL再受傷の可能性が高まるとされるために、しっかりとリハビリ期に確認し対処が必要となります。

LET=Lateral Extra articular tendesis
ALRIへ対処する術法とされ、腸脛靭帯を活用しALCを強化する術法となるようですが、整形外科医ではないので多くの言及を避けます。

スポーツの従事者で考慮すべき点は外側、脛骨回旋の安定性をどうマネージするか?ということではないでしょうか?
可動性だけでは不十分
筋力だけでも不十分
固有感覚受容だけでも不十分
動作マネージだけでも不十分
マルチ要素で考えないといけないですが、結論はありません。
とにかくリスクファクターを考慮し、欠如、不足要素を改善、向上させることでしょうか。

Claes S, Vereecke E, Maes M, Victor J, Verdonk P, Bellemans J. Anatomy of the anterolateral ligament of the knee. J Anat. 2013;223(4):321-328. doi:10.1111/joa.12087.
Daggett M, Ockuly AC, Cullen M, et al. Femoral Origin of the Anterolateral Ligament: An Anatomic Analysis. Arthrosc J Arthrosc Relat Surg Off Publ Arthrosc Assoc N Am Int Arthrosc Assoc. 2016;32(5):835-841. doi:10.1016/j.arthro.2015.10.006.
Neri T, Palpacuer F, Testa R, et al. The anterolateral ligament: Anatomic implications for its reconstruction. The Knee. August 2017. doi:10.1016/j.knee.2017.07.001.

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