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筋がほどよく張っている?脱力する?

アスリートが表現する「筋がほどよく張っている」という言葉

また「力を抜く」など脱力をすること。

ほどよく張った状態は筋活動が適切に行われる状態であり、脱力とは次の動作に対して抑制されずスムーズな活動ができる準備状態と個人的に思っています。

そんな程よい筋トーンを維持するために重要なαーγ関連というお話し

まずは運動神経生理から簡単に

筋肉は目に見える一般的にイメージする筋肉である錘外筋

その奥の眼には見えない錘内筋というのがあって。

運動の際に筋肉のセンサーである筋紡錘から筋の長さや早さの情報が脳に送られます。
それを伝達するのがIa線維。
そこから脊髄などを介して動けと命令されて伝えるのがα運動ニューロン。
それによって錘外筋が収縮する。
錘外筋の収縮と共にγ運動ニューロンによって錘内筋も収縮します。

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α-γ連関とは α運動ニューロンが活動する際に,γ運動ニューロンも同時に活動するここれは筋が収縮しても筋紡錘の活動を一定に保つために重要な協調作用です。

この協調作用が保たれることで「ほどよく張った」状態になります。

これがα運動ニューロンだけが活動すると錘外筋のみが収縮して筋紡錘が緩んでたわんだ状態になってしまい筋活動が適切に行われません。

これは「脱力」ではなく「力が抜ける」

感じです。


またγ運動ニューロンが過剰に働き過ぎると筋が緊張しっぱなしになってしまいます。

この状態は脱力の真逆の状態です。

α運動ニューロンとγ運動ニューロンが同時に活動をすると、錘内筋、錘外筋両方収縮に働きγ運動ニューロンが活動すると錐内筋が収縮します。
筋収縮と筋紡錘の収縮の程度が同じくらいに調整されていると筋が伸張された時に筋紡錘が正常に活動し筋活動が適切に行われることになります。
その協調作用が乱れると実際は筋がゆるゆるなのに硬く感じたり、筋が発揮できない状態なのに無理から錘外筋を収縮させてブチっと行ってしまう可能性があるわけです。

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久々に走ったり、疲労時にダッシュしたりするとふくらはぎを「いわす」ケースは多々あります。
その際、「しっかりストレッチをしたのに怪我をした」と。
それはそのせい、筋紡錘の状態がゆるゆるの状態だったら筋力は上手く発揮されずに逆にストレッチにより状態を悪化させてしまったからです。

収縮ー弛緩ー収縮ー弛緩を繰り返す場合、特に反復する動きやランを含んだ競技はこのαーγ関連が重要です。

自分でチェックするには硬く感じたらすぐにストレッチではなく、動いて硬く感じたら一度数秒軽くストレッチをして再度動いてみて筋力が上手く発揮できない。上手く体が動かせないと感じたらその部分をストレッチしないで収縮ポジションで少し維持してみてから動きを確認してください。

20年ほど前に私がならった考え方ですが、今でも不偏に応用できる考え方だと思います。

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