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EMSは効くのか?

一時期かなり見かけましたが、最近はブームはひと段落でしょうか?


お腹にパットをつけてピクピク。楽に痩せる!などと過剰広告があったEMS。 

運動機器としてのブームが少し収まったと思ったら最近はマッサージ器につけるのが流行りになってきているようです。


基本は外的な刺激によって強制的に不随意に筋を収縮させる機器ですね。
電気刺激によって筋肉に「収縮してますよ」というインプットを脳へ送られます。
それによりNeuromuscular re-educationという形で知られるように筋収縮の再教育を行うよう促します。

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例えば怪我の後に筋肉に抑制がかかって収縮するというインプットが脳へ送られにくい状態の時にEMSによって刺激を与えると筋肉は収縮するという脳へのキャッチボールの機構が再教育されて筋肉が働ける状態へと促すとされています。


研究の方でも特定のコンディションにおいて効果が期待されるとしています。
特に外科手術後。こちらは術後に筋肉の活動が抑制、または不活化した状態において収縮が促されるようです。
後はウェイトトレーニングに追加での刺激。語弊があるかもしれませんが、強引なキューイングとでも言いましょうか。


そして気になるダイエットに関しては?
うたい文句としては~分のEMS刺激で~時間分の運動。
などと言われていますが。。
実際に脂肪を減らすのに効果があると一見見受けられる文献などはいくつかみられますが。。。
よくよく見てみるとパラメーターがおかしかったり、対象が曖昧だったりしてダイエット効果自体はまだ明白ではないのが現実でしょう。


理論的には外的に筋肉を収縮させているために代謝が若干向上するということが関係するのかもしれません。
どうしても人間楽をしたい生き物ですが、求める結果を得るにはそれなりの対価は必要でしょう。
というよりも動くこと自体が人間には重要な要素なのでその楽しみ、快活さ、喜びなどを感じれ結果ダイエットにつながるのが一番の気がします。


またよく運動選手がトレーニング後にEMSを使用しているのを見かけることがあります。


運動後のリカバリーに関してはEMSは効果があるのでしょうか?
こちらはネガティブな結果が出ています。
普通に休息をとるよりも主観的にも血液のプロファイル自体もあまり効果がないとされています。
疼痛抑制に効果があるとされますが、(ゲートコントロールにより)これであれば侵襲性の少ない方のアイシングの方が良いのかもしれません。(どちらも良し悪しありますが)


さて私見ですが、EMSを完全に意味のないものとは思っていません。


抑制された筋は活性してやり活動を誘導してやることが必要ですし、人によって疼痛抑制に好ましいアプローチは異なるのでチョイスの一つとして良いと思います。


また私も使うことがあるのは傷害後。
Marcproという機器があるのですが、これを発売すぐにシンポジウムでみて当時プロモ価格で200ドルくらいで購入しました。
https://marcpro.com/
この社長による理論で傷害後のアイシングへの見解が一気に変わった印象があります。
外的な筋の収縮がミルキングアクションを起こして腫れを引かすというもの。 腫れを引かすには浸透圧を変化させるか?流れを促すか?
という形がメインかと思いますが、一番循環を促すのは筋の収縮ということで機器による収縮によって腫れた状態を改善するという手法です。
だいたいのMLBのチームにはこの機器が導入されています。
最初はCrossfitから広がった機器ですが様々なスポーツ界に広がっています。日本で代理店をしてもらうようにいくつかのメーカーにお願いしたのですが、進みませんでしたが。。。
とにかくどの機器、ツール、アプローチも目的と用途。
使う側の理解が必要でしょう。


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https://journals.lww.com/nsca-jscr/Fulltext/2012/09000/Electromyostimulation_A_Systematic_Review_of_the.38.aspx
https://journals.lww.com/acsm-msse/Fulltext/2018/03000/Neuromuscular_Electrical_Stimulation_Superimposed.3.aspx
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fphys.2021.640657/full
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4033060/

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