![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/140669439/rectangle_large_type_2_5983d693ef498f5e8c02cdc4f4aa18ad.jpeg?width=800)
ピッチングと分離と〜関節と
お陰様でプロ野球選手に多く関わらせて頂いているわけですが、その多くがピッチャーです。
ピッチャーを診る際には「どのようなメカニクスで局所部位のストレスが向上するか?」
PRIベースボールや各種アメリカの神経学システム、筋力テストシステム、などをベースに野球の動きに合わせて確認していきます。(当然、現在の器質的疾患、過去の既往歴ありきです)
そのメカニクスの一つで重要な動作がセパレーション分離です。
上半身と下半身の”割れ”ですね。
Lateコッキング時にはしっかりとこのセパレーションが行われることで弾性収縮能力が生み出されます。
実際の研究ではセパレーションの角度が大きいと投球時の体幹部の加速度が上がるとされ、また球速と骨盤帯の加速度には相関がないが球速と体幹部の加速度とは相関性があるとされています。
有名な研究ですがチンパンジーと人間は投げる動作が異なりチンパンジーは腕だけでほぼ投げ、人間は下半身の連動や特に体幹部の力学を要求されます。20−30%の弾性収縮を体幹部で行うとする報告もあります。
そのため力強い球を投げる、安定した投球を行うためにもセパレーションは重要な要素です。
![](https://assets.st-note.com/img/1715931459362-PtuA4qsXTg.jpg)
指導者に
「頭を残せ」
「前につっこみ過ぎるな」
「骨盤、下半身から捻ろ」
などと言われてもイメージや実際の動作の遂行ができないのが常です。
度々と記事にしていますが、動作感覚のない動作をイメージして行うのは難しいものです。いくら極上の言葉のキューイングをしても自分の認識のない動作に対してはここを意識してなどと動かすのは困難です。
そこで野球に特化したアメリカのシステムでセパレーションの問題の一つとして言われるのが”股関節可動の低下”、またそれに伴った”骨盤帯の後傾”
です。
その影響によりセパレーションが不十分な状態でコッキングに入ってしまうということになります。。
加えて大内転筋 上部線維の制限と下部線維の機能低下。
Linerの動作を妨げる状態となるとLPHC腰部骨盤股関節複合体の外旋運動を適切に遂行できなくなります。
頭の感覚でセパレーションを行おうと思っても体の制限によって動作を遂行できない状態です。
抑制された状態では適切な動作遂行はこ困難です。
股関節の可動の問題となると股関節の可動(特に内旋)を向上させようとなりますが、可動制限がある場合にはSNSでよくある股関節可動にはこれやっとけ!みたいなモビリティエクササイズなどは逆効果になる場合が常です。
可動に問題なく維持には良いのですが、可動がないのに代償動作を伴い股関節のような自由度が高い関節は関節間の摩擦を起こし二次的な問題を引き起こす可能性もでてきます。
元も子もないことを言うとしっかり見てもらえる専門家に診てもらうのが一番です。
問題が起きる前に日常的に可動域は維持したいところです。可動域の維持にはSNSでにでてくるようなモビリティエクササイズは有効でしょう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?