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痛み止めとの付き合い方を考える

Xの方でも言及しましたが、怪我をした際の痛み止め。
積極的には勧められていません。
ただ痛いのは我慢しきれない。
痛み止め飲んだほうがいいのか?
飲むのは避けたいけど痛い。どうしたらいい?

今回はこれを考えたいと思います。

こちらの記事でも書きましたが、現在の怪我の対応のPEACE&LOVEの中の「A」Avoid anti-inflammation drug抗炎症痛み止めを避ける。

怪我をした際には状況により微小から深刻な損傷まで少なからず組織の損傷を伴います。
その際に放出される物質が痛みの物質に変換されるのを抑える効果が痛み止めにあります。
しかしながら、そのような反応は組織損傷から然るべき炎症反応の一つで、その反応が組織再生を促します。
痛み止めによってその組織の修復再生過程を妨げてしまうことになります。

実際に怪我の後に痛み止めを服用した場合には組織の修復再生が遅れてしまったり、組織が適切に修復されなかったという研究報告があります。
また、私の研究分野であったFasciaの学会では怪我の後の痛み止めによる組織の線維化を助長させたという報告もなされています。

PEACE&LOVEの中の
V Vascularization 血管の流れを良くし残存した組織の除去をし線維構築の細胞を活性化する事が重要とされます。
痛み止めによる抑制効果はそのVascularizationを阻害してしまいます。

ここまでだと怪我のあとの痛み止めは百害あって一利なし。
ということになります。

難しいのは怪我の際の痛みの強さには個人差があります。
痛みの感覚が強すぎて体を動かしたくない。動くのが怖い。
という状態になる人がいます。

O Optimal load 適切な負荷をかけることで適切な組織再生を促す。
ことも怪我の後に重要とされています。
また、その怪我のあとの動きへの恐怖心により痛みを自分自身で増幅させ慢性化させてしまう可能性もあります。

早期に疼痛は何かしらで抑える必要はあります。
疼痛を抑える手段であればアイシングや疼痛抑制機器も一考です。
(アイシングに関しては以下を)

痛み止めを出しますか?
と言われたら反射的に「ではお願いします」
と出してもらう方も多いでしょう。
そして薬があるから飲もう。
という方も多いでしょう。

痛み止めによるネガティブな効果を知っていれば「痛み止めがあるから飲もう」と惰性的に服用する方は少なくなるでしょう。

まずはアイシングなどで痛みを抑えるようにし、痛くて寝れない、動けないなどあれば痛み止めを服用。少し痛いと感じるだけで毎回飲む。というのはなるべく避けて痛みが許容できれば少しずつ体を動かす。

アメリカ時代にはAdvilという薬がめちゃくちゃ飲まれていた覚えがあります。
ジムに備え付けで置いてあった印象です。
ニッチもサッチもいかない痛みには即時的に助けになるかもしれませんが、長期的にはなるべく積極的な服用は避けたいところかと思います。

あくまで現在考えられている見解からの個人的な意見と感想まで。


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