冬に産まれたので苦しい

本日、1月30日は僕の誕生日。

よほど世間に出たくなかったらしい。
母に帝王切開を選ばせてしまった。

出自に相応しく育ち、今や28歳だ。

28歳!

そんなものにならないよう気を付けてきたのに。
なってしまったものは仕方がないな。次に活かそう。

最近は霜降り明星の番組やYoutubeをよく観ている。
数々の賞レースを制しレギュラー番組も多い彼ら。
今は26歳と聞いて驚いた。

28-26=2。

2歳の差は大きい。

例えば、2005年。

僕が友達の住む団地の一室で、洋ピンAVの映像に目を凝らしていた頃。
生徒副会長なのに全校集会の連絡を伝えてもらえなかった頃。

彼らはまだ小学生だった。

毎晩れんらく帳を親に見せていた。
ヤクルトの空き容器で貯金箱を作っていた。
$(ダラー)に結んだ縄跳びをランドセルの金具に引っ掛けていた。
おいしい東京のおかしだった。

けれど僕の5京倍は活躍している事実。
気が重くなる。


眼前に迫りくる30代が恐ろしい。
人生があと2年しか残されていないようだ。

だとすると三十路の人生はエンドロールなのか。
時計台から落ちるジャッキーなのか。失礼な話だ。

でもそうだろう。

20代で成し遂げて「すごい」と褒められることは、30代がやっても「ふーん」だ。40代なら「尿酸値が高いですね」だ。

どうせ30歳超えたら次の10年が始まるんだろう。
けれど、それまでの2年がスキップされるわけじゃない。

28歳の焦りと29歳の葛藤は確実に襲ってくる。


あと2年で一体なにが出来るだろうか。

当面の目標は童貞卒業か。いやだな。
なにがいやって、こんなことを言ってしまうことが。
努力する気も起きない。産道通ってないからか?

とか言いながらポケットを探る。
この前、新橋の個室ビデオで貰ったコンドームがあった。
なにかの啓示か。

しかし大変な店だったな。
射精後に性器を拭ったあと横を見ると、処理したティッシュを包むためのビニールが切れていた。
あと20分残ってたが、「こんなところにいると私まで精子臭くなってしまいますわ」と悪役令嬢のごとく店を出た。

そんな27歳の晩だった。


けれどなにか、出来るはずだ。

今日と明日の自分は違う。
今日出来なかったことが明日も無理とは限らない。

明日に希望を託し続けていこう。


明日1月31日は明治の毒婦「高橋お伝」が処刑された日です。
ごきげんよう。


前に進む理由をくれ