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ねぇ夢顎、書いて歌って考えて踊って喋って裏切って


最近はサントリー生がマイブームだ。生というとついパンティを連想しがちであるが、今日はビールの方である。発売されて間もないが、一般には不評らしい。あっさりしすぎるとか、麦の味が薄いなどとか、短い脚をぴっこぴっこ前後に動かしながらさえずる連中がいる。牙も爪もないくせにガルガルしやがって、そんなに濃厚な麦の風味を味わいたければ今すぐ麦畑に突っ伏して泥水啜ってろよ、害獣撃退用の電気柵がお前を通してくれたらの話だがな。そう思った時期もある。もう時効だろう。喉を猛スピードで駆け抜けるようなあっさりさが良い。その余韻のなさ、職場の近くを疾走するバカ自転車の群れを彷彿とさせる。それでね、風呂上がりに350ml缶をぐびりちびりとやりながら、おにまいを1話分見るの、最高に気持ちいいよ……。火薬、活版印刷、セックスに匹敵する。おにまいといえば、先週の金曜日にamazonで予約していたブルーレイの上巻が届いた。うっかり配達時間を指定し忘れたことに気づいたのは到着日の昼中、そりゃあ職場でやきもきしたものだ。置き配になるのだろうが、カラスに持ってかれたらどうしよう。クルミと同じくらい賢いと言われてる連中のことだ、巣に持ち帰ってまひろちゃんでシコるくらい造作ないはず。ズルいぞ。俺だってそれがやりたくて人生やってるんだ。



うねりを伴って

逸る気持ちを抑えて帰宅してみれば、品物はちゃんとそこにありホッと胸を擦り下ろした。

イテー><

映像ディスクを買うのは生涯二度目。振り返れば十数年前、東京旅行の折に買ったゲームセンターCXのマリオ3の回のDVD以来である。一度きりしか再生していない。なんで買ったのだろう。寂しげに佇む様子に胸を打たれて引き取ったのかもしれない。罪作りだぜ、イノコMAX。そんな思い出でカメラロールは埋まっていくんだな。今回買ったおにまいのディスクはブルーレイである。どこの家庭にもあるはずのPS3が我が家にはない、家中ひっくり返しても見つからない。買ってないからだ。すなわち、再生機マシンがない以上こいつをぶん回す手段を持たない。キャラクターたちは確かにこの薄い円盤のなか息づいている。伺い知れないが。今はアマプラで配信されているので、それを利用している。もし今後引き上げられたらアウツだ。いいんだ。二期への距離がわずかでも縮まればとの思いで投資したのだから。もう、おにまいを見ている瞬間しか本当の自分が表れない。ささくれだった心が実は錯覚だったと気付かせてくれる。何を思ったかで人間は語れない。有りたい心が本意だ。そう信じたい。かつて親や先生、友達が俺のことを優しい子だと褒めてくれたことも、今なら、本当に、本当はそうなのだと信じるだけの勇気が、この作品を視聴している間は湧いてくるのだ。今これを書いている瞬間は夢にも思わないが。中1の頃、パン屋で買った小さないちごのパイを母の日にプレゼントしたあの行為は、打算も使命感もなく、ただ真心だけだったと振り返ることさえ出来る。それに値する威力がある。

前に進む理由をくれ