薄明薄暮

1.薄明薄暮

 仕事がひと段落し、溜まっていた宿題もぼちぼち片付いたので以前から興味があった30Minutes Missonsのキットをいくつか買い込んだ。俺たちのテレビでの活躍がなんと夏季ボーナスになることも決定したことだし。

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 ベスト電器の値札が貼ったままだがまあいいだろう。どうせお前らの住む田舎にはベスト電器なんて無いだろうからこの値札の威光をじっくり拝むといい。このシリーズは、部位のあちこちに3mm穴のハードポイントが設けられているので集めれば集めるほど自由にオリジナルメカを組み立てられる、いわば有形ブロックトイとしての趣が強い。ムゲンバインなんかが好きだったのでいつか欲しいと思ってたし、価格もかなり安いのだが、組み立て式のプラモデルというその特徴がどうも尻込みさせていた。俺は人知の及ばないレベルに不器用で、かつて幼少期にビーダマンのワイルドワイバーンを組み立てようとしてダメにしてしまったトラウマのオーナーでもある。それでも、噂によるとこのキットはかなり組みやすいと聞くし、あれから20年、子供は0人、お肉がどんどん旨くなる、まあなんとかなるだろうと、えいやっと3千円分くらい一気に買って見た所存である。タミヤのニッパーも一緒に買ったしな。俺が今まで持っていたニッパーは、高専入学時に強制的に買わされたやつをもう10年以上使っていたので、こんなのでランナーからパーツをもいでたらあちこちデコボコだらけのオールレーズンみたいなロボが仕上がってしまう。オールレーズンは美味しいがね。


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 水曜日のダウンタウンを見ながら、その後のニュースまでしっかり観て、ようやく完成した。どうよこの出来栄えは。(写真手前の方)。確かに、四肢も左右共通でめちゃくちゃ組みやすかったのだがバリを残さないようにと注意を払いながらだとなんだかんだ2時間くらいかかってしまった。しんど。ジャックシンドー。でもカッコいいよ、うん、七五三がもう一度やってきたみたいだ。良く動くしさ。でも、同じ144/1スケールのガンプラと比べると小さいような気がする。


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 その通り。正月にSASUKEを見ながら組み立てたEGのガンダムと比べると一回り小さかった。これは、俺は、正直嬉しい。こじんまりとしていた方がカスタマイズも捗るというか、没入感が増す感じがする。俺の分身って感じのデクだ。大きいと若干持て余すし、情報量も薄まるからね。まずこのスケール感に少し感動を覚えた。


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 あと、ランナーのこの部分も素直に感動した。これ見ると、人という字が支え合ってるぐらいで自慢げに黒板に「人」の字を書いていた金八先生がとてつもないアホに思えてくる。もっと支え合っている存在がここにあるじゃないか。これを部首に漢字を作れ。にしてもすごいな日本の技術って。俺、エンジニアを目指そうかな。そんでもって母ちゃんに楽させてやるんだ。でも疲れてしまったし今日はもうこんな時間だ。残りのキットは夏休みにじっくり組み立てるとしよう。夏休みという概念がまだこの国に存在すればの話だが。何見てんだ。話は終わりだ。帰れ



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