ミニ四駆のアプリ

 先日、ミニ四駆のスマホ用ゲームが公開された。

 これが結構気合入った作りで、実際のマシンの走りを忠実に再現しているそうな。更にカスタマイズは細かなパーツ単位で無限大の組み合わせが可能ときている。「基本プレイ無料」と「示談」の言葉に弱い僕は、早速ダウンロードしてみた。

 さてそいつを遊んでみて、「うわー、懐かしいなー」なんて感想は口が裂けても言いたくない。だって考えて欲しい。

 あなたの子供時代にミニ四駆が大流行していたとする。あなたはその当時からブームが去った後の現在に至るまでずっとミニ四駆にハマりつづけていたとして、ブームの終焉と同時に引退したやつがそんなあなたを見て「うわー、懐かしいなー。まだやってたんだ」と口にする・・・・・・

 めちゃくちゃ腹が立たないか?

 完全に終わったコンテンツならまだしも、まだ続いているものに対して投げられる「懐かしい」はハッキリ言って失礼千万。成層圏より高い位置から見下ろしてなきゃ出てこないフレーズだ。喜寿も生え揃ってないくせにいっちょまえに過去を総括しようとするな。

 そうですとも、僕は決して懐かしがったりしない。

 何故ならば、僕の子供時代はミニ四駆ではなくダンガンレーサーを推してた時期だったから……。

 ダンガンレーサー。このテキストを読んでる連中がまさか知らないとは思えないが、一応説明すると。

三三 ◎ニニつ

 こんな感じのモーターカーだ。説明おわり。

 閑話休題。

 そのミニ四駆のアプリを遊んでみた結果だが、楽しかった。

 自分でスイッチを入れ、マシンをコースに置くところまでしっかり再現されている拘りっぷり。一度負けた烈兄貴に、コーナリング重視のカスタムで再戦してリベンジを果たした瞬間などとても興奮した。

 だが、そんなにハマることもないなとも感じた。これはアプリの出来がどうこうとかそういう問題ではない。最初から予想できていたことだ。何かを工夫し試行錯誤して高みを目指すという作業が難しい僕自身の性格から。一言で表せば、努力ができない。

 このゲーム、そもそも現実のミニ四駆からしてそうなんだけど、継続した努力が求められ続ける。ただ指示通り組み立てただけのマシンでは駄目だ。研鑽を重ね、勝ちに貪欲にならなければ勝利は掴めない。結局僕は、ランダム性が巧妙に隠されているジャンケンのようなゲームでないと楽しめないらしい。

 というわけで、僕の愛機「ジャギジャギジェイペガー」の活躍もあまり見られないと思う。良いアプリだとは思うので興味のある方はぜひ。



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