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低い方を歌う

次に出す記事でふと「超陰唇」というワードを使いたくなった。きっとみんなびっくりするだろう。「すごいことするなあ」「太陽の輝きをそれに見たよ」ハハ、想像してもう嬉しくなった。ひとつ懸念がある。「超陰唇」、俺にしては冴えた発想だが「超変身」からの連想で辿り着く人があるかもしれない。まさかとは思うが、常識では考えられない出来事「アンビリバボー」、あなたの身に起こるのは明日かもしれませんって北野も言っていた。こんなことで奇跡を消費したくはないがそれも人生だ。さっそくツイッターの検索欄に「超陰唇」を打ち込んでみると、出るわ出るわ。超陰唇のジャックポット。まあそりゃそうだよな。あまり落胆はしていない。用意周到ゆえ、二の矢三の矢として「全陰唇」、「究極大陰唇」も用意しておいたからだ。流石にこれらまで既出なことはないだろう。と思っていた俺は本当にバカ。バカの最安値。どちらも当然のようにヒットする。みんなとっくにご存知なんだな「陰唇」の醸し出す魅力に。やっきになって思い付いたそばから検索する。「爆陰唇」既出。「真陰唇」既出。「偽陰唇」既出。「左陰唇」既出。「右陰唇」既出。当然だ、左陰唇があって右陰唇がないことあるか。だって、つがいで飼わないと可哀想だろ。やがて陰唇家の一族で埋め尽くされる検索履歴。頭を抱えた。なんだなんだ、俺の進む道にかたっぱしから立ち塞がりやがって。きっと一日中大陰唇の親戚考えてるような常軌を逸したスケベどもで溢れているんだこの国は。大丈夫か?ポカリ買ってこようか?大体なんだよ「爆陰唇」って。もはや部位か現象かも判断できないが本当にそんなものお目にかかったことがあるのか。適当なこと言いやがって。見てきたことだけを語れ。あるんなら見せてみろよ、見せる方はBANされても見るこっちは無傷だから怖くねえぞ。ちくしょう、俺はお前になりたいよ。この世で一番最初に超陰唇を思いついた日本の何処かにいるであろうお前に。すがるような思いで試行を続けた結果、以下のワードが人類未踏の陰唇であることを確認した。



並んでると飛天御剣流の奥義名のようだ。

俺は使わないので皆でシェアしてくれ。どうせ敵わないのだ、超陰唇の蠱惑的な響きには。または、それに代わる新たなマイ陰唇を探してみるのもオツかもしれない。俺はもう見つけた。ヒントは、先入観や既成概念に囚われないことだ。発想の網を大きく広げろ。何も技名や属性名だけが陰唇の味を引き立てるわけじゃない。コペルニクス的転回の果てにコペルニクス的陰唇はある。




なんか知らんが気に入らない。童謡や絵本に登場する「パンツ」という言葉の、出しておけば物を知らぬ幼児の意表を突けるだろうといった安易な考えが透けて見えるようで気恥ずかしくなる。「セックス」を「アンパンマン」「トーマス」「スナックパン」と同列に捉えている俺が言えた義理ではない。下着でありズボンの本名でもあるからこそ、解釈の許容範囲の広さに甘えているのではないか。我ながら繊細だとは思うが、それこそが今の俺を形作ってきた自覚がある。例えば、言いがかりではあるんだが、なぜもうちょっと進んで「パンティ」に踏み込めなかったのか。「鬼のパンティはいいパンティ」なら当方、全然文句はない。良い悪いの話ではなく、なぜそうしなかったかを問いたい。パンティは、いやか?「ツ」が「ティ」へ転じる瞬間に、何が失われ、何が付け足されたか、そこに何を見出してしまったのか。コンプライアンスの問題か。幼児のボキャブラリーに「パンティ」が含まれないことを考慮してか。「パンツ」という名称自体受け入れがたいものがあるのかもしれない。「パンツ」という名の下着はないからだ。「ブリーフ」「トランクス」「ショーツ」「ズロース」「ビキニ」のすすり泣く声が、俺には聞こえる。


前に進む理由をくれ