医師の父親が癌になったら

本人の病状を探った上で、
父親の話をよくよくよく聞く。

そんな当たり前のこと、、、
と思われるかもしれないが、そんな当たり前のことが、なかなか難しいのだ。

話しを良く聞き、本人が能動的に治療に向かうようでないと、どんなに動いて名医に診せても、上手く行かない。

色んな病気があるから、麻酔銃で撃ってでも病院に連れて行かなくてはいけない病気もあるかもしれない。

けれど、
人は身体だけで生きている訳ではない。

病気だという事実は認めたくないのが普通。
年寄りっぽいものであればあるほど 嫌 だ。

特に男性は、理屈っぽいけど、理屈じゃない。
誰でもそうだが、心が、気持ちが大切で、どう納得するか、は大切な工程なのだ。

私は、40代前半だから、親は80代になった。
子供の頃は、DVだ、なんだと大変な思いもしたから、親との確執なんてめちゃくちゃあった。

ある日コレは精算した。
(この話はまた今度。)

で、80代の親は色々頑なで、寂しがり屋で、構って欲しい。(ウチは)

私のスタンスは、
癌だからと言って、あまり彼の”人生の主役”としての立場を取らない。
ある意味少し距離を置いて、私に頼り過ぎないプライドを尊重する。
判断材料をそっと提示し、判断は本人から出るのを待つ。

その上で、娘として、人として味方でいる。

何でもはしてあげられない。
出来るだけ自分の判断で生きていて欲しい。
(聞く人が聞くと、やれ冷たいだ、やれ酷いと言われかねないが)

具体的には、
出来るだけ顔を見せて、どうでも良い話を沢山聞いて、お茶飲んで帰る。そのうちポロっと病気の話が出たら、何も否定しないで聞く。
で、帰ったら出来る範囲で知り合いの専門医師に質問し、情報収集をして、ほぼそのまま文書にして渡す。

次に父親に会いに行く時も、素知らぬ顔で話を聞く。反応を見つつ、渡した情報について聞いて来るまで待つ。

医師になって益々思うこと。
親子でも分からない。親子でも敬意を。
情報を集める事は、フットワークの軽い人がすれば良い。
正しい情報はネットより専門医に直接聞く。
いつも冷静な人は居ない。
周囲は、聞き、頭の整理を手伝う、出来るだけ何度でも同じ話しを聞く。


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