見出し画像

MCR「アカデミック・チェインソウ」終了しました

タイトル通りなんですが、MCR「アカデミック・チェインソウ」終了しました。まずは出演者、スタッフ、劇場関係者の方々、そしてご来場いただいた皆様、本当にありがとうございました。
終わって今更、語る事もないのかな、とも思っているんですが、語ることではなく自らに刻み付けたい事もあるので、しかしそれはじゃあ、引き出しにしまう日記に書けよ、と思うかもしれませんが、誰かに見られているかもしれない、と言う緊張感がないと刻み付けも浅くなりそうなのでここに書きます。

今回、個人的に取り組もう、と言うか、志したのは「得意な事ばっかりやっててもしょうがない」でした。
勝手知ったる面々と一緒に得意な事を枠に収める、これだったら負けない、これだったら出来る、そういうものから飛び出さないと自分が自分に飽きてしまうと思って、今までにあまりやったことのない大人数、知らない役者さんたち(しかも若い)と、あくまでもMCRであることを前提にした舞台を作る、そこに力を注ごうと思いました。
自分としては、そこのみが「いつもと違う」だったので、内容的に「いつもと違う」にはならないと思っていたんですが、感想なんかを読んでみると「いつものMCRと違うかも」みたいなものも結構あったので、ははあ、なるほど、そこがそう見えたのか、という気づきにはなりました。

ぶっちゃけ、いつもと違うことをやってみた、という部分が大きかったのか、いつもより台本が遅れてしまい、出演者やスタッフには本当に迷惑をかけました、これはいよいよ初日を遅らせるか、もしくは公演中止にするしかないかも、と思い、思った瞬間心臓がバクバクと荒ぶり、あまりにも心臓の音がうるさいので拳で心臓をダンダンダンダン叩いたのは嫌な思い出です。
公演初日、上演時間のアナウンスができなかったのは台本が遅れたせいでゲネプロ(通し)ができなかった為で、それは全て私の責任であり、受付にいたスタッフや劇場さんの責任では全くありません、謹んでお詫びします。

今まで、どんなに台本が遅れても「まあ、できるでしょう」と思っていて、実際できていたんですが、今回初めて「ああ、無理かも」と思ったのはほんとに、なんだろう、いろんな要素が絡んでのことだとは思うんですが、そしてそれは今になって「ああ、多分、そういうことだったんだろうな」みたいなものはあるんですけど、それは今後の教訓として残しつつ、あの恐怖、あの恐怖だけは二度と経験したくないと今でも強く思っている、思っているのですよ、あれはやばい、あれはだめだ。

内容に関しては満足してます、満足してなきゃおかしいし、もちろん足りないところもあったかもしれないけど、商品として出した以上は満足してると言い切りたいし、言い切れる感じはあります。
最終的な判断をするのはお金を出して買ってくれた皆さんがすることで、そこに対しては否定も反論もないけれど、私は満足していると言い切ります。
実際、今後に於ける貯金というか、財産になるだろう気づきもいっぱいあったし、コンセプトとして取り組んだ事が身を結んで自分の中に残る、というのはとてつもなく嬉しい事です。
今後のMCRがどうなるのかは分からないけど、その時その時で、自分がやりたい、ことを、娯楽というフォーマットから絶対に外れないようにしつつ提示して行けたら良いな、とは思っております。

今回初参加の役者さんたち、それぞれ素晴らしく、また一緒にやりたいな、とは思っていますが、もう二度と出てくれないかもしれないので、MCRで見られるかは分かりませんが、きっと他の舞台で(映像で)活躍してくれる人たちだと思うので応援よろしくお願いします。MCRでも見られるよう、あの時はごめんなさいと、私からも必死に訴えていく所存であります。

公演準備期間中は、こんなのもう二度とやりたくねえ、と思っていましたが、今はなんだか、あれも加えたい、これもやってみたいという思いが湧き上がってきています。台本を使えば誰でも再演できるモノだとは思うかもしれませんが、僕の中では今回参加してくれた人たちでなければ再演できないと思っているものなので、いつかまた、あれもこれも加えて、再演できたら至上の喜びだな、と思いつつ、そう思える舞台が作れて良かったなあ、と感じています。

あと、それはまあ、別の話になるのかもしれないですけど、コロナ禍で劇場にお客さんが戻り切っていない現状に加え、物価の上昇などによる圧迫もあり、なかなかに厳しい現状ではあります。
今回、チケットも安く設定したんですけど、それでもやっぱり、そこより安くなる平日マチネなんかが先に埋まっていった状況を見ると「いや、そもそもが安いのに、それでもなの?」とは思いますが、気持ちはわかります。
それでもなんとか頑張って、チケット代で4000円を取らない生き方をしていきたいなあとは思うので、いつかまた、余裕ができたら劇場に足を運んでくれたら嬉しいな、いつかまた、あなたに会いたいです、と思います。
いや、でもこれ、別に高いチケット代を取っている団体を否定しているわけではなくって、私たちは演劇公演で何かを成し遂げようとかお金を稼ぎたいとか思ってないからできる事で、それを目指している人たちは、それはそれで尊重してます、尊重はしてないか、良いと思います。
私たちと一緒に踊りたいと思う人がいてくれたら、ハードル低くしてドアを開けておきたい、その為にはそうするしかない、なんとなくそう思っちゃってるから、俺はそうしてるだけのことです。

MCRの次回公演は11月末から下北沢OFF・OFFシアターです、何をやるかはまだ決まってませんが、よろしくお願いします。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?