頬粘膜がん 315日目 Ultra field of view の世界へ


 頬粘膜癌 315日目。

 血圧 108-82 mmHg
 血糖 - mg/dL (朝食前)
 酸素 99 %
 脈拍 75 拍/分
 体温 36.6 ℃
 体重 69.4 kg

 今日は職場の上長に10月に手術を受ける(受けたい)旨を報告した。
 ほうれんそうは大切だ。ビタミンが不足するとがんの活動が活発化する。ビタミンB群はしっかり摂らなくちゃね。というわけで、すぐ直属の上役に朝一でPET検査および診察の成り行きを報告し、その後、組織の副理事長に一緒に報告に行くという物々しさではあるw
 とりあえず職場でのポジショニングは問題なく、入院して戻ってきても僕の机は残っていそうである。職場ではそれなりにちゃんと役に立っているという報告が上に上がっているようでひとまずは安心だ。

 今の職場で、この秋から新たに資格を取得するために研修を受けることになっている。その関係もあって、研修の日程に手術日がかぶっていたら面倒なことになるなぁと思っていた。が、全日程被りなしで術後の経過が多少悪くて入院が伸びようがきわめて安全な日程に手術日が収まっている。ツイてるね。

 さて手術まで残り1か月あまり。やれることはやっておかねばね。

 というわけで、ここからは興味がある人だけに向けた内容だ。

 先月あたりからパソコン周りやなんかをいろいろいじり回している。まぁ退院してからずっとそんなことをしている部分もある。もう10年近く箱入り娘にしたままだったタンノイのスピーカーを取り出して設置。それに合わせて中華用のミニアンプを設置。これで音楽環境を整備したわけだけど、もちろんパソコンだって出力はそちらにつなぐ事になる。普段はスマホから好きな音楽を流すために設置したセットだったがパソコンをつなげばyoutubeだろうがプライムビデオだろうが、それこそabemaTVだって大迫力だw

 当然、PCでのドライブシミュレーションだって大迫力であるw


 普段のパソコン環境はこんな感じ。




 マウスにキーボード、ディスプレイは今は27インチのものを使っている。ディスプレイは先日導入したモニターアームがすこぶる快適だ。視覚障害の弱視者にとってディスプレイの環境ってのはかなり重要で、見やすさはディスプレイの大きさとそのポジショニングにかかっている。ポジショニングは通常は制限がある(あまり自由にはならない)ので、ディスプレイの大きさを大きくした方が見やすくなる。

 モニターアームなどが使えるとかなり顔に近い所までディスプレイを持ってくることができるので場合によってはディスプレイの大きさはそこまで大きくなくてもよい場合もある。それでもやっぱり大きいと見やすいけどね。


 僕もそうだが、弱視者の場合スマホの操作の際も結構顔に近づけて使用する。要するに近くにしないと見えにくいわけだ。逆に言えば近くに持ってくればそれなりに見えたりはするということだ。ディスプレイだって同じ。近くにもってくれば結構見える。

 15インチのノートパソコンの画面はかなり遠くて小さい。見えにくいのである。モニターアーム使えるなら15インチでもかなり使えるかもしれないと思ったりはする。


 さて、モニターアームを導入したのはこういう弱視者のディスプレイ環境を整備しようという意義も多少はあったりはするが(実際にディスプレイを顔の近くまでもってこれるとどれぐらい見やすくなるか試してみたかったのは確か)、本命はFOVのためである。


 FOVってのは日本語に訳すと視野角という感じでいえばいいだろうか。ようするに目で見えている上下左右の状態の事。まぁカメラとかする人だとちょっと違った意味で使ったりする。カメラで写した時に写る範囲を角度で示した数字というか。レンズの種類が50mmだとか80mmだとか言ったりするアレだ。近頃のコンパクトデジカメは35mm~200mmズームとかって言ってたりするかね。

 100mmを超えてくると望遠レンズとか言ったりして遠くのものを大きく撮影できるレンズになる。

 ちなみに、昔からの写真をやる人達の間では50mmを標準レンズと呼称して、目で見る感じに一番近いので50mmのレンズで撮影の練習をすべしというのはかなり一般的な話だった。


 さていろんな場面で視野角という言葉を使うわけだが、ドライブシミュレーターの世界でも視野角は重要な要素だ。つまり、自分の目で見た感じと画面の中の風景の見え方が近ければ近いほどリアルな体験が可能になるわけだ。

 人間の目は実はとても広い範囲が見えていて、正面を見ている時に目の端は真横ぐらいまでのものが見えていたりする。つまり前方に対して水平方向に180度近く見えるのである。これが草食動物とかになると身を守るために前を見ている時でも後ろまで見えるように目の位置が顔の外側に向かってついているわけだ。魚とかも一緒ね。


 カーシミュレーターで180度の画面を作ろうと思うと普通の画面1枚では実現できなくて3画面ぐらい必要になる。最近は湾曲したディスプレイなんてのもあるけれど、人間の視覚に合わせた視野角をカバーできるものはとても購入できるような価格ではない。まぁ3枚ディスプレイを使うのも普通は無理。


 というわけで1枚の画面で普通に見える分の一部分を切り取って表示するわけだ。

 運転席から見える風景をディスプレイに映し出した時に、ノートパソコンの画面にそれを表示したら実際に見える大きさよりも小さくなって見えてしまう。車に乗っているときと同じように見えるぐらいにしたいと思ったら40とか50インチのディスプレイが必要になるわけだ。


 さて、僕はさきほど弱視の人はスマホの画面を近づければ見えるんですと言った。スマホの画面に巨大なクリスマスツリーが写っていたとする。普通の人がスマホを使うくらいの距離感で持つと、画面に写っているクリスマスツリーはめちゃくちゃ小さくてリアルな大きさでいうと100m先に存在しているぐらいの大きさになるだろうか。それを顔の直前までもってきて見たなら、20m先にあるツリーぐらいには見えるかもしれない。

 つまり、リアルよりも小さく見える画像は近づければリアルの大きさに近づくというのがFOVの考え方だ。

 小さく見える運転席の画面は、画面を大きくするか近づける事によってリアルに近い大きさにすることができる。こんな感じ。


 画面を極力顔に近づけると、ディスプレイに写った運転席がリアルに近づくという事なんだね。27インチのディスプレイをハンドルコントローラーの直後まで近づけると通常だと50インチのディスプレイで表示しているぐいいの視野角になるわけだw

 写真は座椅子の後ろから撮影しているので実際に見える風景は写真の縮尺よりもかなり大きい状態になると思っていただければと思う。

 まだリアルよりも若干小さいがかなり近い見え具合であるw 多分この距離感で見るなら35インチぐらいのディスプレイにするとかなり自然な見え方に近いんだと思う。これでも、かなりリアルに近い見え方になってはいるんだけどね。


 そういう意味ではVRってのはかなりすごい。PS5にVRを接続してグランツーリスモをやると、ほぼ実写に乗っている視野角で表示される。おまけに180°どころか360°ディスプレイだ。右を向けば右のウィンドウが見えて横に並んで走っている車が見えるw ほぼ乗ってる感じだ。目の前のハンドルはハンドルコントローラーを握ってるのと同じ位置に見えているのである。めちゃくちゃリアルなスケール感だ。

 多分、想像している100倍リアルだと言って過言ではない。特に弱視の僕の場合は遠くの見え具合がもともとクリアじゃないので、現在の技術のVRですら実際に僕に見えている現実世界よりもクリアに見えてるぐらいの勢いである。

 多分、視力の悪い人はグランツーリスモのVRを見ると、目が良くなったように錯覚するかもしれない。

 これは、もしかしての話で実際にどうなのかはわからないのだが、世の中の風景を3Dカメラで撮影したものをリアルタイムにコンピュータ処理して3Dゴーグルに映し出してくれたら僕は視力が上がるんじゃないだろうか?アイトラッキングという技術が今のVRゴーグルには組み込まれていたりするんだが、要するに自分が見ている場所をセンサーでキャッチしているわけだが、この技術をほんの少し強化して、僕が見ている部分をほんの少しだけ拡大して表示してくれると僕は遠くのものが良く見えるように脳が錯覚すると思う。すごい技術だね。

 このVRで表示される画面でガンダムのアクションゲームとか作って欲しいなぁなんて思うんだが。きっとすごい迫力なんじゃないだろうかw バンダイさん、ソニーと共同でガンダムVRゲーム作りません? すげぇ売れると思うんだが。


 実は現在でも障害を補うデバイスは、リアルを超えた強化された能力を与えてくれる。最新の義足を使うと、リアルで走るよりも早く走ることができるし、最新の義手は当然だが人間の握力を超える握力を出すことなんて簡単だ。

 超精細に見えてズーム可能な義眼は千里眼を実現してしまうかもしれない。そんな超視力はいらないにしても、遠くのものが多少ズームして見える能力は別に視力障害がなくたってあったら欲しい能力じゃないだろうか? そうじゃなくてもとりあえず老眼で悩むことはなくなる。もちろん、遠視や近視もね。

 そんなことを考えながらグランツーリスモして遊んでいる夜w


 今日もいい1日であった。


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