頬粘膜がん 112日目 お義母さんのはなし


 頬粘膜癌、112日目。

 血圧 126-92 mmHg
 血糖 162 mg/dL (朝食前)
 酸素 99 %
 脈拍 68 拍/分
 体温 36.5 ℃
 体重 78.8 kg

 週末である。治療は休み。
 放射線が休みだと、今日明日は口内炎がこれ以上ひどくならないと思うと少しほっとする。

 先日、頬が急に凹んだ事はブログで書いたんだが、その部分は凹んだままでどうこうなるような雰囲気はない。ただ、この部分については筋組織や粘膜などがほとんどないような感じで、皮膚があってその下に気持ち程度の粘膜が残っているだけみたいな感じでたぶん本当に薄い組織で蓋がされているみたいな状態だ。
 こんなん、ちょっとつついたら突き抜けてしまいそうで実はめちゃくちゃ不安だったりはする。

 なんせ、水を飲んだりうがいをした時に普通は冷たさってのは口の内側で感じるものなんだが、この部位(1センチ四方くらいの凹み部分)に関して言えば冷感は皮膚表面にある温度感知の神経が受け取って頬の表面側が冷たく感じるのだ。
 口の中の水の冷たさが、皮膚の表面側で感じられるってのは今まで感じた事のない不思議感覚でなかなか馴染めない。
 皮膚が弱くなって突き抜けたりしないかなぁ・・・・・・とちょっと思ったりする。
 ちょっとホラーだ、

 朝のウォーキング、老戦士は今朝も来ていた。
 と思ったら、老戦士は新しいパーティメンバー老いたパラディンを連れていたw
 同志が増えたわけだね。これで3人パーティだ。
 老戦士 もともとは大腸がんからの肺転移、骨転移、その他もろもろ。治験中。
 老パラディン 前立腺がん、ステージ2
 魔術師(僕ねw) 頬粘膜がんステージ4a 初級魔術師

 朝の小さな語らいが今後も続くのかもしれない。

 お義母さんの事を書いておこうと思う。

 今、僕の世帯は4人家族である。僕、妻、長女、お義母さんという編成だ。一応義母は一緒に住んでいるが戸籍上の世帯は別扱いとなっている。そこらへんは保険の関係だとか、年金の関係だとか、難病指定の関係だとかいろいろ諸般の事情による。別に一緒の世帯にしても何ら問題も無い。
 家の嫁さんはもともと母一人子一人の一人娘だったのを僕が嫁に貰った。その後お義母さんはずっと一人で暮らしていたんだが、今から10年位前かなぁ、圧迫骨折になり嫁実家近くの総合病院に入院した。嫁実家は同県内ではあるんだが少し離れた市になる。

 もともと僕も嫁も視覚障害者なのでそうそう面会にも簡単には行けない。僕の家の近くの病院に転院して貰った。お見舞いにもすぐ行けるようにね。その後、状態は良くなって無事退院する事になるんだが、すぐに元通りという訳にもいかないし通院だってリハビリだってしなくちゃならないという事で暫くは僕の家に一緒に住んで貰う事になった。
 そして、そのままなし崩し的にこちらに世帯を移していただいたわけだ。
 僕にしても嫁にしても、お義母さんもそろそろいい年なのでこっちに来てくれればいいがねと思っていたわけで、しめしめというところもあったのだ。(僕の母は父が他界してから一人でのんびり暮らしている。今の所は元気だ)

 圧迫骨折はもちろん問題なく治っていくわけだが、年齢も年齢なので他にもいろいろ体の不調が出てきたりもする。何年か前から最初は酷い風邪のような状態になって1週間ほど入院するとかいう事があったんだが、最終的には間質性肺炎となり徐々に症状は進行しながら時々入院したりして一緒に暮らしてきたわけだ。

 間質性肺炎は決定的な治療法がなく、まぁだんだんと悪くなっていくという難病のひとつなんだが、それでもなんやかやと家での家事なども手伝ってくれて、週に3日ほどは晩御飯を作ってくれたりという家庭のメンバーとしての彼女のポジションも確固としたものがある暮らしを続けていた。
 年々、体力も落ちてきていたし在宅酸素も入れていたりしたが、去年くらいまでは近所のスーパーにもボンベ付きのシルバーカーを押して、好きなものを買いに出かけたりもしていた。
 年末ぐらいから、一気に体調を崩した。1週間ぐらい、まともに動けないほど状態が落ちて、急遽介護保険の認定調査を受けてヘルパーや訪問看護を使う事になった。

 今週の月曜日の定期検査も、ケアマネ、訪看スタッフも同行して介護タクシー利用での通院となった。
 血液検査の結果、緊急入院が決まった。

 もともとの間質性肺炎の状態も良くはないのだがなんせ、血算の数値がわるいらしく白血球や血小板が激減しているらしい。白血病に近い状態(確定診断されてなかったので)とのことで精密検査をするとともにそのまま入院となった。
 この1週間でいろいろ検査をした結果、日々状態は悪くなりかなり悪い状態であるらしい。年末に僕が一時退院している頃もあまり状態は良くなかったんだがそこから随分悪くなっているらしい。
 妻には主治医から、今後の治療について積極的な治療は年齢的に体力的にすでに無理であることを含めて、緩和的治療に移行するかどうか話があった。

 嫁さんも大分参っているんではないかと思ったりする。僕もまだ暫くは退院できないしね。

 お義母さんにしか懐かないツンな猫も、嫁さんにくっついていたりするらしい。

 そんな土曜日である。


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