頬粘膜がん 142日目 退院許可でましたぁ


 頬粘膜癌、142日目。

 血圧 112-83 mmHg
 血糖 100 mg/dL (朝食前)
 酸素 99 %
 脈拍 73 拍/分
 体温 36.7 ℃
 体重 76.4 kg

 さて、新しい週が始まった。
 と言っても治療があるわけではなし、基本リハビリ以外は予定なしの気楽な入院生活である。

 本日のメニューは採血、開口リハ、肩関節リハ、眼科診察の4つ。

 朝一で採血。
 今まで、左腕で採血していた。それはPICも末梢静脈からの点滴ラインも右腕から取っていたので採血は反対側の左腕だったわけだ。で、よくよく考えてみれば、すでにPICも点滴ラインもないので左右どちらでも取り放題になっていたわけだ。ということで今日は右腕から採血してみた。
 やっぱり右腕から採血すると左腕で採血したときと・・・・・・特に変化はありません。(あたりまえかw)

 通常通り、朝のウォーキングを30分こなす。毎日だいたい同じようにウォーキングしていると微妙な違いが分かってきたりすることがあるんだが、気のせいでなければ酸素の取り込み能力が下がっているのでは無いかと思う。分かりやすくいうと、同じペースで同じように歩いているはずなんだが息切れするのが早くなった気がするのだ。
 今までだったらこれくらいのペースで歩いていてもなんともなかった筈なのになぁみたいなやつだ。僕の場合は歩きながら歌ってたりするので、普通に歩くだけよりも酸素を使う量は多いといえば多いんだが、同じように歌っている筈だが息苦しい感じがする。
 おそらくだけれど、これが今週あたりから気になっている”胸キュン”による能力の低下なんじゃないかと思うわけだ。明らかに胸キュン指数が上がっているので肺の酸素の取り込み能力が下がっていても不思議では無い。この胸キュンについてはなかなか症状的には改善しにくいもののようであるから、長い付き合いになるのだろう。

 朝食後、今日は午前の予定で開口リハビリが入っている。STの先生の外来の患者さんの予定や、手術でのサポート(言語能力の術前術後評価)の予定によって、病棟でのリハビリの予定もかわるのだけれど、本日は特別な予定はないとのことで午前早めに開口リハをしていただいた。
 先週から、頬粘膜部分の陥没した部位が広がって移動している関係がありどこまで開口リハしてよいかというのがなかなか見極めが難しくなっている。週末に主治医の先生と話しをした際にリハビリの事についてもいろいろ相談させていただいた。
 一応、唇あたりに広がっている部位については裂傷となってしまう可能性もありあまり無理はできないという見解もいただいており、本日からの開口リハビリについてはその事を考慮した上でリハ前17mm前後、リハ後(自動運動まで)で23mm前後の数値目標をおいてこれがクリアされていればまずは現状維持でOKとすることを当面の治療目標とした。原発巣部分で裂傷を作ってしまうとそもそも現在の開口幅キープ云々という話ではなくなってしまうので。
 今日はリハ前18mm、リハ後23mmで基準はクリアー。

 昼食は相変わらず麺食となっている。
 でだ、朝には気づいていなかったんだがどうも味が変だ。いや、すでに変なことにはなっているんだが、昨日までとは明らかに違う。味がしない感じなのだ。
 どうも塩分の感じ方が変わったみたいな感じだ。いままで、塩味をやや強く感じていて、しょっぱいと浸みて痛かったり、味が濃く感じていたので減塩食で個別対応して貰っていた。どうも、その塩味に関しての感受性が普通に戻ったのでは無いかと思われる。厳密に言えば元に戻ったかどうかまでは分からないが過敏に感じていた部分はなくなった感じがする。昨日まで、減塩のだし汁をうどんにぶっかけて食べてもそれなりに食べられたのだが、今日は味がさっぱりしなくてそのまま食べるにはきつい感じだった。ふりかけかけてなんとか食べたがこの塩味の感受性の変化が今だけのものか続くのかが分からないので下手に動けない部分がある。
 まぁ、一応醤油とかはスプレーで持ってきているから多少の塩分の添加はできるから大丈夫なんだろうか。様子見である。
 ずっと海の中にいるようなしょっぱさがそういえばなくなっている。やたらしょっぱかったので助かるっちゃ助かるが、麺が美味しく食べられないと少しヤバい。味がしないうどんとかそうめんって、実は結構食べにくいのである。どうもそういう状況になりつつあるような感じなのだ。

 午後から肩関節のリハビリ。
 胸キュンの事なども報告しつつ、まずはもともとの懸案である副神経の障害部位についてのリハを進めて行く。ストレッチとウェイトトレーニングをおこなって、その後はトレッドミルでのウォーキング30分。
 朝のウォーキング時と同じく、やはり酸素の取り込みが若干能力が下がっている感じがあるので気のせいとかではなさそうである。

 リハビリの後に眼科の診察が入った。
 眼科の診察は検査も含めてなんていうか、とにかく待ち時間が長かった。検査して待機、次の検査して待機、もう一度検査して待機、診察して待機、またまた検査して待機、さて最終的な診察みたいな流れだったんだが、とにかく待機が長い。
 結局2時間くらいかかったんじゃ無いだろうか。それも待合室にほとんど人がいないという好条件の中で。これは、普通に朝から診察にきている患者さんは半日コースになってしまうんだろうなぁという感じである。
 ということで、いろいろ検査をしてもらったのだが、まぶしさについて特にこれといった原因が見つかることは無かった。逆に言えば、眼圧を含めて眼底の状態やそのほか眼科的ななにかで問題になるような事は今の段階ではないという事がわかったので良かった。
 取りあえず、何か問題があればいつでも診るから言って下さいとのことであった。

 夕方、主治医の先生が血算の数値をもって部屋に寄って下さる。
 白血球の数字は少し上がってきており、血小板も下げ止まりな感じとのことで退院の許可が出る。今週末か、来週頭で退院してよろしいとのこと。通院のことなどは改めてという事で取り急ぎ退院日はほぼ決まり。
 先生との面談のあと、家族と相談の結果今週の金曜日に退院することで決定となりました。めでたしめでたし。

 なんとか桜が咲く前に退院できそうである。


 塩味があまり感じられなく鳴りつつあるようではあるんだが、食の冒険は続く。
 もともとジャガイモは好きで、ポテトサラダなんかは大好物だったんだが、今はポテトサラダは食べにくいかも知れない。それでも、ジャガイモのポタージュは結構いける。
 これは味的には塩味ベースで複雑な味が入っている訳でもなくシンプルな味付け。カップスープみたいに作って飲んでみて、美味しかった。夜のうどんは出汁の代わりにポタージュ味にして食べてみた。すでに出汁の味が相当に慣れてしまって食欲が出なくなりつつあるのでポタージュ味のうどんの方が美味しいという危険な領域に踏み込んでしまっている。

 取りあえず食事はすべて完食である。

 今日もいい1日であった。


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