頬粘膜がん 107日目 出っ張るはなし、凹むはなし

 頬粘膜癌、107日目。

 136-99 mmHg
 血糖 99 mg/dL (朝食前)
 酸素 99 %
 脈拍 59 拍/分
 体温 36.5 ℃
 体重 80.0 kg

 新しい週が始まった。

 今週から抗がん剤治療および放射線治療は後半戦へと突入である。

 放射線治療17回目無事終了。今週末ぐらいから前回作成した新しいフェイスマスクと枕の組み合わせで照射位置や内容を変えて終盤に向けて治療していくとのことである。


 今朝の出来事であるが、朝4時に目が覚めて気が付いた。口の中結構痛いぞ。

 まじかっ。痛くて目が覚めたってのは初めてですよ? まぁ、この所は舌の炎症も激しくなってきており安静時でもヒリヒリと痛い事も多いわけだけどなんだかいつも以上に痛いので参った。

 耐えられない痛みとかってものでもないので、なんとかかんとかうつらうつらしたりして5時になって、どうにもいかんという事で観念して看護師さんにオキノームを出して貰った。

 なんだか、急に左頬のあたりが一気に腫れ上がった。先日までピンポン球が云々言っていた部分だ。ピンポン球どころかそこらへんがまとめてボンッって腫れ上がった。腫れ上がった頬の部分は全体的に熱を持っている。

 朝一でオキノームを貰ってからは痛みも取りあえずは落ち着いて、平常通り過ごしていたわけだが、頬が熱っぽいのは熱っぽい。体温自体は特別高くなっている訳ではなく、完全に局所的な炎症反応であるのだろう。

 アイスノン貰って午前中は冷やしながら過ごしたりした。

 痛み自体はそれほど増悪することもなく、日中については昨日からみて若干痛みが増したかなぁくらいの感じで経過しているので状況はそれほど逼迫したモノでは無い感じだった。

 普通に午後のリハビリもこなし、おやつも食べて(今日は売店にてご購入のプリンなり)夕方にシャワーという感じ。

売店のプリン


 さて、シャワーの時に鏡に映る自分を見てちょっとビビる。
 え? 頬、めっちゃ抉れて凹んでるんですがっ! なんじゃこれ。

 下の写真1枚目が先日撮ったやつで、頬はピンポン球様に硬くなっていた時。で、2枚目が今日凹んだ後の写真だ。

出っ張ってたとき
凹んだ後

 ぽっこり膨らんでいた筈の部分が抉れたように凹んでいる。

 結構ビビるよね。これだけ凹んでるとちょっと押したら突き抜けそうってことは流石になさそうではあるんだが・・・・・・。凹み方が普通じゃ無いし。

 夜に主治医の先生登場で診察してもらう。

 ざくっと結論から言うと、膨らんでいた部分は粘膜の組織や筋の組織ではなく、膿のようなものだったのではないかという事で、それが破れて流れ出した結果という事らしい。なんせ、もう無くなってしまってるのでらしいと言うしか無いんだが。

 さて、ここからが本格的に凹む話ではある。

・どうやら、主治医の先生はピンポン球様に膨らんでいた部分について、なにやらコロコロと触診で当たる感じがあって、これは手術後に浸潤で残っていたがん細胞が増殖して大きくなっているのではないかと考えていたらしい。
・凹んだ今の状態を見ると、膨らんでいた部分は浸潤で残っていたがん細胞の増殖ではなかった可能性が高まりそこは良かったと考えているらしい。
・頬の部分が硬く大きくなってきているので腫瘍が残っていたかもしれないという事で、放射線の照射を多少変更してこの部分にいくらか集中的に照射していたらしい。
・頸部リンパ節につていは病理の結果は僕も貰っているのだが、取ったリンパ節のうち2個に浸潤が確認され、取り切ったかどうかについてはよく検討されたしとなっていた。僕はその結果をもとに念のために術後の放射線治療と抗がん剤治療を行うという説明を受けていた。
・途中から放射線の照射について変更が行われている事は知らなかった。
・主治医の先生が、原発巣部分についても残っていた可能性を想定して
・放射線照射を変更している事は知らなかった。

 実際に放射線の照射を再検討したからそうなのかどうかは別として、ここしばらくで急激に舌や口腔内の炎症が進んできていて、いやぁ放射線ってやっぱなかなか厳しいやねぇと暢気にではないけれど、そう思っていた僕は少し、いや正直に言えばかなりがっかりしてしまっている。相当に参っているかもしれない。がっかり度が半端なくて。

 僕はこれでも前向きな患者なんじゃないかと思っている。今の所は希少がんのため、ほとんど先人が周りにいないので今後の展開が読めない中で、一人で先頭を走っている感じだ。トップランナーといえばそうなのかもしれないが、どこまで倒れずに走れるかのレースだ。ステージ4aの進行癌である以上は寛解というゴールは厳しいとも考えている。とことんジタバタしてやろうかなと思っているわけだ。

 だから、こういう事が起こると参ってしまうわけだ。僕の知らないうちに、レースから棄権させられてしまうのは嫌なのだ。不利な状況ならそれも含め今の状況や、今後の見通しなんかについて知っていて走りたい。倒れる時まで知らないままなんてのゴメンなんだ。


 なんで主治医の先生は、原発巣が取り切れなかったかもしれない懸念があると僕には言わなかったのだろう。懸念を潰すために、強めに原発巣部分に放射線入れましょうって言わなかったのだろう。


 それを伝える事と、伝えない事の違いについてどう考えているんだろう。
 伝えたって意味がないと考えているんだろうか?
 なにも考えてない、伝える必要すら検討してないってことだろうか?

 今日はわからない事だらけだ。
 明日はどうしよう。何か言わなくちゃ。

 さすがに、いい1日じゃなかったかな。


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