A-bookとB-bookの判別方法

前回お話した証券会社について
今回はもっと詳しい部分を説明します。

A-bookとB-bookは何となく分かった。
A-bookを使うほうが良いのも分かった。

でもA-bookかB-bookか
どうやって見分けるの?

今回はその部分をお話します。

ここからは専門用語も出てきますので
専門用語が分からない方は、過去の記事を読んでください。

結論から申し上げると…


①入金ボーナスがある
入金ボーナスがある証券会社は100%、B-bookです。
そもそも本来は証券会社の役割は注文の取次であり、健全に取次をしている証券会社のもうけはスプレッドしかないので、入金ボーナスを出せる説明、ボーナスの原資というものの説明がつきません。

下記③でも記述しますが、入金ボーナスの本来の目的はおそらく2つ。
1つはボーナスをウリにして客寄せをすること。
2つめはロスカット時に残る証拠金をボーナス補填分として根こそぎもっていき口座残高をきっちりゼロにすることです。

②スプレッドが狭すぎる
A-bookの証券会社の収入は、注文をLPに仲介をすることによる手数料(スプレッド)のみです。

更に証券会社は、そのスプレッドからLPとシステム会社(メタクオーツ社など)に手数料を支払います。
LPとシステム会社に支払う手数料をピュアレートといいます。

スプレッドは証券会社の生命線であり、ここがピュアレートを下回っているところは原価割れしているということであり、仲介業として成立しません。

つまりスプレッドが狭すぎる=B-bookとなります。


③ゼロカットシステム採用
ゼロカットシステムというのは、ユーザーの手持ち資金より大きい損失は証券会社がカバーするので、借金を抱えることはないですよという仕組みのことです。

例えばユーザーの資金が100万円で、実効レバレッジが10倍で1000万円の取引をしているとします。
口座のレバレッジが100倍であれば必要証拠金は10万円。ロスカットになった際に証拠金は戻ってきますので10万円は残ります。

ところが急激な相場変動によってロスカットのレートがすべって(スリッページといいます)、証拠金が残るはずが残らなかった。というかマイナスになってしまった場合、そのマイナスをゼロにしてあげますよ。というのがゼロカットです。

証券会社の仕組みを知れば、スプレッドでしか収入のないA-bookがそもそもマイナスを補填できるはずもなく、

それゆえにA-bookではロスカット率が100%ではなく105%というふうにマージンをとっていて、ロスカットの際に証拠金まで全部なくなってしまうということがほぼ考えられないのですが、B-bookではわざとスリップをおこして証拠金が残る分を削ったり、入金ボーナスがあったりしてロスカット時に残った証拠金をボーナス分から補填させてもらいますねという名目で証拠金で残った分もきっちりゼロにしてきます。


④最大レバレッジ○○○○倍
ここでいうレバレッジは証券会社が定めている口座のレバレッジです。実効レバレッジではありません。

A-bookの証券口座はレバレッジ100倍か200倍がほとんどで、結論からいいますと、それ以上になるとB-bookである可能性が高くなります。

レバレッジは本来、証拠金を担保としてその金額の○○○倍の取引ができるというものです。
仮にレバレッジ100倍の口座であれば、1万円の証拠金を担保に100万円の取引ができます。
A-bookであって取引が市場にきちんと流れているのであれば、証拠金以外の99倍にあたる金額は誰が担っているのか?に着目してください。

それはLP(リクィディティプロバイダ)の存在があるから成し得ることであり、リクィディティ=流動性があるから実現できる仕組みです。当然そこには資金的な限界があるわけで、レバレッジが高すぎる理屈が成り立ちません。

B-bookではそもそも市場に注文は流れておらず、証券会社と顧客のお金のやり取りのみです。
画面上の金額がいくら増えようが、それを顧客が出金するまではただの数字です。
レバレッジを高く設定すればするほど、レバレッジを理解できていないほとんどのFXトレーダーはいずれ退場=資金が溶けて証券会社の利益となります。

レバレッジを高く設定する → 知識のないトレーダーが資金を溶かす割合が増える → 証券会社の思うつぼ というわけです。


⑤宣伝している(簡単に口座開設できる)

日本人がインターネット上で宣伝をみつけて口座開設できる証券会社のほぼ全てはB-bookです。

本来の証券会社(マーケットメイカー)で
A-bookとなると
JPモルガン、シティ、バンクオブアメリカ、UBSとかUOBといった超巨大金融機関。
FXの世界ではこういう巨大金融機関はLP(リクィディティプロバイダ)と呼ばれ、為替レートを提示する側として存在します。
LPについては別記事で解説します。

こういった機関にイチ顧客が口座開設できるというのはほぼ不可能な話で、当然ながらインターネット上で自力で見つけた証券会社に口座を開くことになります。

しかし上記のような項目に当てはまることがほとんどで、インターネット上に宣伝を出しているところ、つまりアピールポイントがあるところは全てB-bookになります。

この記事はまだまだ続きがあるので途中執筆として、後々更新していきます。

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