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大事なことは誰も教えてくれない(2)

 インターネットなどでも全く対応法や経験談が見つからない形で、転職に伴う退職に難航するとは思わなかった。

 今回の記事とは別で重点的に取り上げたいため、前提としてさらっと述べるのみに留めるが、転職活動で内定が出た2社のうち受諾企業を決定したのが先月末だ。それから、現職内への報告と宣言、引っ越しに向けた準備等を進めている。

 事前にインターネットを通じて想像したような引き留めには合わなかった。罵詈雑言が飛んだり犯人探しに至るような雰囲気でもなかったし、担当者レベルの人々やプレイングマネージャーの人々と所属長は呆然とした気持ちが大きいようである。逆にマネージャーからは応援と背中を押す言葉を頂いたりで、とても嬉しかった。

 一方で、組織の状況は前途多難であり、私を悩ませるような状態がまもなく訪れ、今に至るようになった。誰も今のように誰かが新天地に旅立ったり体調を大きく崩す事態に至ると思わなかったのか。それとも、思考停止しながら仕事する現状に満足していたのか。後継者が決まらない、見つからないの一点張りで、明確な答えが見えていないようだった。見るからに、【新しい人】を迎えない限り、私の仕事を引き受ける誰かは現れなさそうだ。

 相当な不公平感を感じた。今まで、私の部署でも、誰かが異動や転職をすることは2年に1回くらいはあった。ただ、その時決まって私がかなりの仕事を受け持ち、他のいくつか(専門性がやや薄い)の仕事を他の人が受け取る感じだった。今まではすんなり既存の人々に割り振り(と書いて押し付け)ができていたのに、私が旅立つ時は誰も引き受けたり手伝う人がいないのか。私は進んで他の人のやり残し課題も全部解決しに行ったし、学ぶことにも積極的だったのに。未だにこれから旅立とうとする人の頭を借りない限り、この人々は資料集めも課題の検討も何もできないのか。

 組織の力にならない人の「知恵を学び、万が一の参考にする」ことでもなく、ただ仕事をしてもらうことを当たり前に思う人々。彼らを見ると私が憤懣やる方ない気持ちばかりになる一方で、どうにも解決策がない。「私に頼りすぎてもな…」と思ったところで、退職日と最終出社日を宣言したので有給消化日のスケジュールは先に埋めてしまうこと。そして、以前に比べて自分の仕事ペースを遅めにし、残り時間に引き継ぎマニュアル作りを進めていくこと。ただ、どうにも周りの人が私に仕事を持ってきて、催促して、のループが続く。

 まともに周りに相談できる人すらいないことが、更にネックになった。現職のネガティブさを伝えにくい立場の第三者の方、基本的には営業が前提の関係なので、この行き過ぎた相談には乗ってくださる義理などない方。彼女自身も仕事がいっぱいすぎる、したたかな友達。辛うじて、私の言葉と気持ちを受け止めてくれるのは、家族しかいない。

 このように、誰からも相談に応じてもらえそうな状況でなく、【大事なことを教えてもらえない】事態に陥ってしまったため、やられてしまった後であるのが歯がゆいものの、次のように懺悔と対策を講じることにした。

 ①営業と仕事の関係はどこまでもそれらが前提である。雰囲気良さそうな人に見えても、中では距離を置かねばならない。ピンチの時も態度が変わらないのは、1%の人しかいない。

 ②心がえぐられても、いつもニコニコして適当に受け答えするコツを学びたい。どこかにこんなコミュニケーション術だけを練習する塾なり、オンライン講義なり、ココナラサービスはあるのだろうか?あるいは集いやコミュニティは?転職して東京に行ったら、少なくとも多様な人に会う機会はあるし、同時にぶつかる機会もある。サードコミュニティを積極的に探し当てて、自分の生き残り術を磨き上げたい。

 ③①と②の状況でありながらも、味方を作る努力はしないといけない。自分を着飾って。人当たり良く接して。優先順位の線は引けるようにして。味方の作り方でさえも、金と時間で練習して身につけられるなら、身につける必要があるなと思った。ちなみに味方を作るイコール、細かいシチュエーションごとに相談できる相手をたくさん作るとも意味が通じると思う。

 しかし、味方をたくさん作るって、どうすればいいのかな。私が情報を参照しているノマドワーカーや、大手企業のマーケターの発信内容で印象深かったものを参照すると、「相手に有意義な情報を提供できることで、自分にも戻って来る」らしい。営業上手、世渡り上手、人と接して嫌われないことが上手な人が求めるものって何?株式とかの仕事の専門性とか教えてあげればいいのか?あるいはプログラミングコードの書き方を学んだものを教えてあげればそのような人はついてくるのか?

 大事なものの答えを自分で出せず、他の人から疎まれ鬱陶しがられてそうなのが悔しい。でも、自分の人生のハンドルを自分で握ることには成功したから、絶対に見つけてやるんだ。この解決策を。上手な生き方を。

  

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