モトノキノウエから

「いらっしゃいませ~」

時刻は朝10時、まちの商店街が動き出すとき。

ここは飯塚市にある商店街。

本町商店街から東町商店街に入ってすぐ、何やらあま~~~い匂いが。

「たい焼きだ!!!」

朝ごはんはしっかり食べてきたはずだが、たい焼きに呼ばれてる気がする。

2つカバンにこそっと忍ばせて、ちょっと戻って来た道を戻って隣にある元野木書店へ。

レジで注文をして店内のオススメ本を眺めていると、元野木さんができたてのコーヒーを持ってきてくれる。

2階に上がると、本に囲まれた空間でボードゲームを楽しんでいる子供たちがいる。

あれっ、あの子の後ろに置いてある本、小学生のときに読書感想文書いた本じゃん!!!

これは運命か?

そんなことを考えながら、たい焼きを食べる、そんな休日。

ここは明治10年に創業した、元野木書店の2階。

長年、物置として使われた本屋の2階をリノベーションスクールで出たアイデアをもとに、「モトノキノウエ」としてオープン。

昔のマンガや文庫本、手塚治虫コーナー?、雑誌、ボードゲームたくさんもあって、1階で買ったコーヒーと共に置いてある本を読むことができる。

実は子どもスペースもあるから子供さんと一緒に来てもよき。

なんだか普通の本屋には置いてない、さまざまな本に出会える場所な気がする。

なんて言ったって、ここは飯塚イギリス計画でいえば、ロンドン図書館。

歴史は長く、住民の人々に愛されてきた場所。

地域の人たちも自分が読んだ本を置いていって、歴史が刻まれる。

それを次に来た人が読んで、また歴史を残して、この空間で友人と話したり、ボードゲームをしたり、勉強をしたり…。

このモトノキノウエを使う理由はたぶん人によってさまざま。

「自分の思い出に出会えるのが本の良いとこですよね」

こんな感じのことを元野木さんが言ってた気がするなー。

これからもここ、モトノキノウエから新しい出会いが生まれ、新しい歴史が刻まれていく。

なんだか商店街の真ん中で、今も昔も地域の人々の暮らしを眺めてるみたい。

今日もたい焼きの香りがする。

さぁ、今日も飯塚を歩こう。

これからの夢を描こう。

ぼくらの旅はまだ始まったばかりだ。

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