夢の考察

 私は、寝ているときに見ていた夢の内容を覚えていないことがほとんどだ。だからこそ、たまに覚えているときは印象に残る。大抵の夢は、これまでの体験とか、テレビで観た内容に感化されたものとか、人生で違う選択をした場合の話だ。私は「過去は変えられない」という思いを強く持っているからか、特に大学や高校選びが違った場合の夢が印象に残っている。そして、また先日そのような夢を見た。それだけ私は内心だと後悔しているのだろうか?そう考え、現実的にできることを書き出してみることにする。

 私の見るそのような夢は、多くは大学生活のものだ。だから、大学で学び直すという選択肢について突き詰めて考えてみよう。
 まず思い付くのは、大学に入学し直すということだ。私が大学生だった頃にも、大学に通いつつ別の大学に入ろうと勉強していた、所謂「仮面浪人」をやっていた同級生も居たし、先輩には大学2校目の人が正に居た。そういう人が身近に居たからこそ、私にとってこの選択肢は現実的なものだ。ただ、この方法は時間もお金も掛かり過ぎる。何より、大学を卒業しているのに大学1年生からやり直すとなると、一般教養の科目も履修し直す必要があり、専門性だけを高めたいことを理想とすると無駄が多い。
 では、次の選択肢だ。大学には、2年次編入、3年次編入というものがある。2年次編入はあまりイメージが湧かないかもしれないが、3年次編入は短大生や高等専門学校生(高専生)が大学に入りたいというときに選べる選択肢の1つだ。1年生として入学する際と違い、以前の学校で修得した単位のうち、一部を認定してもらえる場合がある。専門科目はともかく、教養科目のうちいくつかが単位認定されれば、卒業までに学習する内容を絞ることができるし、就学する年数が減ればその分学費も抑えられる。よって、より現実的な選択肢となる。

 さて、ここからは知らない人では思い付けない選択肢を挙げていく。その1つが、科目等履修生だ。先の2つの選択肢は、あくまで「大学を卒業する」ことを前提とした選択肢だ。しかし、既に学位を取っており、大学を卒業する必要は無いが学びたい、というならば別の選択肢を考えられる。科目等履修生は、大学や大学院での2単位分だとかの講義、すなわち1コマ90分×概ね15回に予習復習を加えたものを、その講義の代金だけ支払って学ぶことができる。そして、単位認定もしてもらえる。大学で一定数の単位を取得することで取れる資格を目指す場合に有効な選択肢だ。
 最後に、聴講生だ。これは、単位認定はされないが、その講義を聴くことが許される人のことだ。実際に、私が大学1年生の頃、他の学部で興味のある講義があったので、その教授に頼み込んで講義を受けたことがある。そして、その講義は他学部の専門科目であり、単位認定できないという説明を当時受けていたことを覚えている。当時はその用語を知らなかったが、私はその講義を聴講していたということなのだろう。私の実体験以外でも、大学によっては公開講義をしていることがあり、公開講義は一般聴講可能なものもある。金額は、無料のものから2万円程度掛かるものまで様々だ。望んだ内容の講義があるかどうかはタイミングと運に拠るだろうが、コストは科目等履修生よりも抑えられることが多そうだ。

 とりあえず、夢で見たときには漠然だったことを、色々と調べて内容を具体化してみた。この中から私が実際にどれかの選択肢を選ぶことはあるのだろうか?知らなければ取れなかった選択肢、「考える」が私の前に現れる。知ることで新たにできるようになった選択肢を大事にしていきたい。