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水滴の芸術

曇り空が続く日々。それでも家に籠るよりはと、雨で無ければ軽く外を歩くのが習慣になってきている。これはそんな時に見掛けた。きっと、昨晩は霧でも出ていたのであろう、クモの巣に細かい水滴が付いていた。よくよく観察してみると、不思議なことに気が付く。クモの巣の中央部分と、クモの巣と周りの物を繋いでいる部分にはほとんど水滴が付いていないのだ。これはどういうことだろう?
疑問に思い、調べてはみたものの疑問が氷解するようなものは見付けられなかった。ただ、クモの巣の中心から放射状に出ている縦糸には獲物をくっつける効果は無く、同心円状にあるように見える横糸に獲物をくっつける効果があるのだそうだ。しかし、これだけでは水滴の謎は解けない。
もう少しクモの巣を観察してみると、水滴の付いている部分のクモの糸と、そうでない部分のクモの糸には太さに違いがあるように思えた。なにぶん肉眼での観察なので不確かだが、もしそれが合っていれば水滴の謎は解けるかもしれない。

ここから私個人の推測なので鵜呑みにしないでもらいたいのだが、恐らく、クモの巣の水滴があまり付いていなかった部分はクモの糸が他の部分よりも細かったのではないだろうか。そして、他の部分よりも細ければ、霧などでも水滴が付着する確率は下がるし、もし水滴が付いてもある程度大きくなれば、その水滴は糸で荷重を支えきれずに落ちてしまう。その結果、写真のようになったのではないかと考えた。
この仮説が正しいかは分からない。でも、気分が晴れにくい曇り空や雨の日でも、こうした楽しみがあると分かっただけでも収穫だ。