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ライダーの苦悩

 歩行者や、四輪車の運転手、自転車乗りには伝わらない感覚がある。そう、「半感応式信号」に対する考えだ。信号機にはいくつか種類がある。歩行者用のボタンを押さないと変わらない歩行者用信号と、通常の交差点にある信号機では違うのを思い浮かべてもらえば違いがあることが分かるだろう。その種類の中にあるのが「半感応式信号」だ。半感応式信号である場合、冒頭の写真のように明示されている。
 半感応式信号の特徴は、主要な道路に合流する側について、車が待っているかどうかをセンサーで感知しており、それが二輪車だと反応しないという点にある。だから、センサーが反応しない場合には歩行者用ボタンを押す必要が出てくる。交通量の多い日中なら全く問題ないし、左折したいときなら歩行者用ボタンがすぐ近くにあることも多い。しかし、右折したいときは少し手間だ。右折レーンでバイクを停めて歩行者用ボタンを押しに行くか、交通ルール上あまり良くはないが歩行者用ボタンを押してから右折レーンに入るかのどちらかに大別されると考える。実際に、右折レーン上にバイクを停めて歩行者用ボタンを押しに行ったことは何度かあるが、車道を横断するというのは少し緊張してしまう。

 二輪の乗り物と一口に言っても、運転免許の不要なもの(ママチャリ、マウンテンバイク、ロードバイクなど)、原動機付自転車、自動二輪車(小型、中型、大型)でもそれぞれ感じていることが異なると思う。私も、原付に乗っていた時はどの交差点なら二段階右折が必要かと悩んだものだし、自転車に乗る時は歩道を通行していいかどうか標識を気にしたものだ。でも、今はそんなことは気にならなくなっている。
 人は、置かれる立場や状況によって物の見え方が変わるものだ。過去の経験を思い出して、別の立場なら、という考え方を捨てずに広い物の見方をできる人でありたい。