保護はどこまで必要?

小学生の夏休みの頃、学年によって行動範囲に制限があった覚えがある。低学年の頃は確か自転車は禁止で校区内のみ、中学年は校区内のみ、高学年は町内全域、といった具合だ。
そして、困ったことがあった。

私の住む地区は、小学校へ行くには途中でバスを使うことになっており、バスの経路沿いに進むと隣は別の学校の校区なのだ。
逆は?と気になるだろう。逆はもう隣町だ。
いや、まだ方角は残っている。残り2方向は?と気になるだろう。そのうち1つは別の校区だ。町境も近く、1つの地区が広いのだ。残るは1つ。そちらは、道が暗くて見通しが悪いため、小学校からは子どもだけで通らないように指導されていた。八方塞がりだ。

そんなこともあり、私や同じ地区に住む子は、基本的に同じ地区内で遊ぶことになる。とはいえ、同じ地区内でも2km離れている家もあったので、低学年の頃も自転車には乗っていた。今思えば校則違反だったのかもしれない。

中学生になってからも、学校から通行を禁止されるような道がいくつかあったこともあって、地区外の子と遊ぶ機会をなかなか作れなかった。
しかし、同級生に誘われ、通ってはいけないと言われている道をこっそり通ってみたこともある。その時は幸い事故や怪我も無かったが、確かに見通しが悪く、登る分にはいいが下るならスピードも出て危険だろう。

教育者としては、籠の中の鳥のように大事に匿うのが正しいのかもしれない。しかし、子ども側の立場だった頃ならば、時には庇護を離れることも大事だったのではないかと思う。そうして人は自ら学習していく。
与えられた道だけが通り道ではないのだ。