道路と水道

ゲーム『ポケットモンスター』で、最新作のSV以外ではマップは概ね町と道路とダンジョンから成る。そして、その中でも道路は、BW2以前とSM・USUMだと道路と水道がある。この「水道」は、蛇口を捻って水が出る「水道」ではなく地理的用語で、両脇に陸地があって海が狭くなり、通路のようになっている箇所を指す。そして、道という文字が付くように、船での航行にも用いられる。ちなみに、初代ポケモンの水道は、現実の関東の浦賀水道の辺りに該当する。

初めてポケモンをプレイしたときは小学生で、「〇ばんすいどう」という表記に特に疑問も無く受け入れていた。しかし、この「水道」について調べてみようと思ったのはほんの数ヶ月前のことだ。正直なところ、ゲーム内の用語かもしれないと思っていたし、仮にちゃんとした言葉だとしても、道路の水版みたいなものだろうと考えていた。だから、地理的用語としてきちんと意味を持つものだったことは衝撃的だった。

ファンタジーの作品でも、その元になった神話について知ることで作り込み具合が分かる。名前だけ借りているレベルなのか、表層的な理解なのか、きちんと理解しているのか。創作作品だから、と作品で使われる用語を鵜呑みにせず、自身で調べて咀嚼することで、よりその作品の奥行きを感じられることもあるのだと私は思った。