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申告敬遠

私は野球をしたことがないし、プロ野球への関心も薄いが、ゲームの『パワフルプロ野球』、通称パワプロは好きだ。とはいえ、ちゃんとやったのはゲームモード「サクセス」が中心のスマホ向けアプリが初めてで、ソフトを購入したのは2022年のこと。そう、Switch用のソフト『eBASEBALLパワフルプロ野球2022』だ。

アクション要素の苦手な私は、理想通りの育成をサクセスでは出来なかった。だが、ゲームモード「マイライフ」では、セーブデータをロードすることでやり直しが可能だ。だから私はマイライフをプレイすることが多くなった。

そして時は流れて2023年。2023年の情報をゲームデータに落とし込んだ2023年版がゲームで選択可能になった。各モードの2022年のセーブデータは引き継げなかったので、私はサクセスで新しくキャラクターを作り、そのキャラクターをマイライフで育成することにした。

すると、あるときに違和感を覚える。能力を上げるため、ヒット、ホームラン、盗塁、内野安打などをしている中で、不思議なことが起こった。操作キャラが走者として2塁に居るときに、盗塁のチャンスを窺っていた。そのとき、いきなり1塁が埋まることが何度かあったのだ。そして画面には「申告敬遠」の文字。聞き慣れない言葉だ。

気になってその言葉を調べる。どうやら、プロ野球では2018年に採用されたルールの一つで、監督からの申請でボールカウントが4にならないうちに敬遠することが可能になったらしい。プロ野球では投球の時間制限が15秒以内とされているらしいが、その時間短縮なんかに「申告敬遠」は役立つのだとか。

ゲームにここまで細かいルールも適用されていることもさることながら、現実の方のルールもそうやって変わっているということに驚きを感じた。漫画にしろゲームにしろ、そうした細かい部分まで現実に準拠している作品は好きだ。だからこそ私はパワプロが好きなのかもしれない。