見出し画像

バイト敬語について思うこと

だいぶ前のことだが、バイト敬語というものが問題になったことがある。接客業でアルバイトが使うように指導されている敬語表現が誤っている、というものだ。「~になります。」「よろしかったでしょうか?」「~の方(ほう)」「~円からお預かりします。」のようなもので、条件によっては敬語表現として正しいものもある。

言葉が正しく使われていないことは一日本人として嘆かわしく思うが、ある程度は仕方ないと思う部分もある。「役割語」というものをご存知だろうか?博士っぽいキャラクターが「~じゃ」という言葉遣いをしたり、お嬢様っぽいキャラクターが「~ですわ」「~てよ」のような言葉遣いをしたりというものだ。実在の人物でそのような言葉遣いをする人は見たことがないが、キャラクター付けとして使われる言葉遣いのことだ。
その中に、中国人の方が「~アル」という言葉遣いをするというものも含まれる。これは、実際に江戸時代終わりから明治に掛けて、日本で外国人が急激に増えた際に、外国人向けの簡単な日本語ということで、「~アリマス」「~アル」等の言葉が実際に使われていたことに由来するらしい。

バイト敬語も、日本語を学びたての外国人でも覚えられるよう、語彙を減らして作られているのであれば仕方ない部分もあるのではないかと思えてきた。学びたての頃は拙くとも、いずれは正しい日本語を使えるようになって欲しい。
日本で生まれ育った私も、知らない日本語の表現がまだたくさんある。数年後、或いは数十年後に私自身の書いた記事を見直したら、改めたい表現がたくさんあるのだろう。いや、そうあって欲しい。未来の私は、失敗をたくさん経験して成長していて欲しい、そう思う。