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熱海の奇跡

熱海殺人事件~モンテカルロ・イリュージョン~ゲネプロ
いや、凄かった。俳優部、照明部、音響部…
紡がれていた。ゲネで泣いたのは?ほぼ初めてかな?

遠藤裕司と言う同じ年齢の生き様で泣いたわけでは無い。
そんなもんは十分に分かってるし、覚悟も知っていた。

だから、覚悟では無く、自分の俳優の力で戦ってほしかった。
センチメンタリズムでドラマを作る気はない。
そんなもんは、思い出作りだからだ。
彼は、覚悟を決めて【熱海殺人事件】に挑んだ。
演出の声をかけられらた時に決めていた。
情で芝居は作らないと。

今日の芝居は、自分の覚悟をぶち抜く、演技をしていた。
淡々と木村伝兵衛と言う人間を創作して下さいと
言い続けて良かったと思った。

性別を超えた愛を感じることが出来た。
ただ、これが本番で出るかどうかは、別の問題だ。
芝居とは、残酷なもので結果だけしか
お客様に残せないのだ。
多分やってくれるだろうなんて、甘い考えはない。
今日は今日なのだ。だが、明日に挑戦できる切符は
手に入った。

それは凄いことなのだ。

つかこうへいさんは、凄いと思う。
でもそれは過去の話だ。
令和を生きる人間が、過去の感性を受け止め
新しい感性を創作していかなければならない。
それが、つかこうへいさんの真意なのでしょう。
だから、存命の時も幾つものバージョンを誕生させたのでしょう。

今回の熱海は、どの俳優も役として生きている。
だから、嘘がない。
小手先で芝居をしていない。
かと言って情熱だけで芝居をしているわけでは無い。
冷静な分析に、管理した感情を乗せている。
 
奇跡とは、日々の積み重ねでしか起こらない。
今日は、奇跡を見れた。
時代の、オリンピックの、戦後日本の国旗が世界に上がることの
空気を感じた。
いい芝居だった‥‥

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