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昭和に生きた男

うたた寝をしていた。
パソコンからは、ラフマニノフが流れている。
木村伝兵衛を演じる戦友は、ちゃんと寝れているだろうか?
まあ、いい。大概大人だから、自分で何とかするだろう。

私の中で芝居は仕事です。
収入の効率は、まだまだ悪いですが、そこはまあ
他者と比べても仕方ないことなので、自分のペースでやっています。

今回の熱海殺人事件は、なんと言うか仕事であり、仕事では無い。
一言で言うならば、ある男の生き様です。
普通の芝居では無く生き様です。

私は芝居をやってるクセに、そんなに芝居は好きでは無いんです。
それは、講師をやっている時も、生徒に良く言ってました。
なんと言うか、心が動く瞬間が好きで、その手段の一つなのです。
気が付けば、この世界にいてしまった!…と、言うのが本音です。

だから割と、冷静な目で芝居を見ています。
正直、人間が輝く舞台と言うのは非常に少なくなりましたね。
ビジネス先行量産型と言うか、アニメ世代と言うか。
特殊能力があるキャラクターがメインの構成の作品が主の時代です。
それは、それで、面白いし、そこでしか生まれない感動があるので
リスペクトはしています。

シンプルに、私のフィールドでは無いので無関心です。
案件の場合のみ、受け入れるでしょう、仕事ですから。

今回の熱海殺人事件は、面白いです。
小さな嘘が無いのです。正直、ハチャメチャで
時代錯誤の台本なのですが、小さい嘘を
俳優部が消してくれたので、面白いです。
面白いとは、何かと言うと、魅力です。
演技の上手い下手なんて考えるのは、中途半端な経験者で
正直、芝居ってのは魅力があるか、無いかなのです。
スターウォーズとか典型ですよね。上手いとか下手とか以前に
異星人だし、何だが良く分からんし。でも魅力があるから
世界共通の感動を呼んでいるんです。

戦友が、熱海に挑む姿は、滑稽で格好いいのです。
人間なのです。これはねえ…誰にでも出来ることでは無いのです。
なんやかんやで、魅力いっぱいな空気が溢れてます。

理屈を燃やし尽くす、情熱

これにつきますね。はい、本当に若い俳優に
見てもらいたい。なかなか見れないですよ
50代の木村伝兵衛って。

戦友よ、悔しいけど、格好いいぞ!



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