猟犬柴と恐ろしい柴犬専門誌”Shiba”
今年度の猟期が半分過ぎたものの、まだちょっとしかフィールドに出ていないし、一匹も捕れてない。相変わらずのコミュ障というか、コミュ嫌い(コミュニスト&コミュニケーション嫌い)なので、グループ猟に行くのは気が進まないし、そもそも趣味で色んなしがらみを持つと面倒くさいので、一人でテキトーにやっている。
でもやっぱ、グループだったらこんな事も出来るのになあ、とフィールドに出て思う事が多々あるが、グループ全員がロボットでない限り、自分の考える通りに動く事はまず無いので幻想に近い。だったら犬かもしれないが、昨年から飼い始めた我が家のお犬様は柴犬で、どう訓練したら良いものか分からない。
と言うのも、今の日本の猟犬事情に原因がある。日本在来犬6種はいずれも猟犬にルーツがあり、闘犬としての改良が行われた秋田犬以外は、ほぼ猟犬のままの姿形を留めている。このうち、中型犬種の北海道、甲斐、紀州、四国犬は、今でもイノシシ猟に用いるイノシシ犬として活躍しているが、鳥猟犬はほぼセッター、ポインター系の洋犬に占められている。狩猟者団体で猟犬事業でも知られる全日本狩猟倶楽部の猟犬競技会の成績発表とか見ると、洋犬ばかりで日本犬が欠片も見られない(全日本狩猟倶楽部「第73回全日本猟野競技会決勝大会(成績)」)。
日本犬で唯一、小型犬種に分類される柴(注:中型に分類される事もある)はもともと鳥猟・小型獣猟犬で、明治維新以降はこのセグメントにセッター、ポインター、ビーグルら洋犬が浸透した。猟犬としての柴犬は駆逐され、現在は屋内飼育出来るサイズの愛玩犬となっている。
そういう背景もあり、猟犬としての柴犬については、ほとんど書籍が残っていない。色々調べたが、50年以上前に刊行された書籍でも洋犬の記述が主だった。柴犬の相手に向かっていくという性質が祟り、鳥の気配を察するとポイント(じっと鳥が隠れる場所を睨む)する洋犬の方が、鳥猟犬として優れていると考えられているらしい。私がお犬様を購入したブリーダーも、「柴犬は向かって行っちゃうね。おじが猟で柴犬使ってたけど、クマに突っ込んでいくもんだから、クマの一撃で腹から内蔵出して死んじゃったよ」という話をしていた。
ここから先は
¥ 100
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?