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ネガフィルム調 ネガとレトロの旅

GR3/GR3xにネガフィルム調が実装された。
全く予期していなかったアップデートであったが、密かに待ち望んでいたものだ。

GRシリーズに実装されているポジフィルム調、色乗りとコントラストが良く人気のイメージコントロールで自分もたまに使うが、そもそも自分には"ポジフィルム"の思い入れが特にない。
自分にとってはフィルムといって思い当たるのは"ネガ"である。
父親が使っていたカメラのネガフィルム、学生時代に事あるごとに使わされた写ルンです、自分の記憶に登場するフィルムと言えば"ネガフィルム"。
うちの母は当時のフィルムで撮った写真を今でも大事に取っておいてあるものだ。
でもだからといって、今からフィルムカメラを始めるというのにもちょっと手が出ない(※別解はまた今度)。

そんな自分に魅力的に思われたのがFujifilimの、フィルムシミュレーションだった。
正直、クラシックネガは少しドラマチックすぎるというか、劇画調というか、正直私の日常をただ押さえるのが難しそうに思われた。
そこからノスタルジックネガが登場した。これには震えた。アメリカンニューカラーなるものは申し訳ない、存じ上げないが、やや低コントラストで淡い感じ、発表当初のGFXシリーズ限定というのも相まってデジタル中判でネガというのが私の心をめちゃくちゃ刺激した。子どもたちの撮影に良さそう・・・
「GFXがほしいっ!!」
その欲望にブレーキをかけたのがその金額、GFXシリーズのラインナップだった。
私の日常、そんなに高画素は要らないのである。できれば低画素が良い。さらに欲を言えば像面位相差は欲しい。
現ラインナップではGFX100Sは像面位相差はあるが超高画素、GFX50SIIは比較的低画素(もっと低くても良いが)だけれどコントラストAFオンリー。
迷った結果、導入を見送った。

このヤキモキと並行して行っていたのが、GRのイメージコントロールをいじって”ネガ調”にできないかというもの。多くのものが"レトロ"を基調にしていた。
ネットの記事などを参考にさせてもらい色々した。
結果、う〜ん?という感じ。
おそらくだが、イメージコントロールの”レトロ”なるもの、これがイマイチ使いづらい。
マゼンタが強すぎるというか退色調すぎるというか。
イメージコントロールにネガ調があればなあと思っていたのだった。

RICOHがネガ調を出してくれるとは思っても見なかった。なんとなく勝手にネガ調はFujifilmの専売特許、RICOHはポジ調傾倒だと思っていたからだ。
両方載せてくれるに越したことはないじゃないか!

早速使ってみた。
う〜ん?
他の方でも同じことを言ってらっしゃる方もいるが、これはネガ調であって、ネガフィルムの再現ではないのだと強く感じた。
ネガフィルムに持つ思いは人それぞれだから、ネガフィルム調と言っても難しいんだね。
また、ネットの有識者らによるとそもそもネガフィルムだと色乗りが悪いというのも誤りらしい。それは現像で如何様にも変わる、と。
個人的にはデジタルでキレキレ、マクロもやすやすこなすGRではフィルムのあの感じそのものは出ないようだ。
自分はネガフィルム調に自分の中の思い出の写真たちのような少しレトロでエモい写真を期待していたようだ。

でも、自分は納得した。
メーカーがある種、私の旅のひとつの終着点を用意してくれたことに感謝を覚えた。
このレトロやポジ調とは別の、淡いややハイキーのプリセット、自分が使いたいときに使えばいいだけだ。結構、使い勝手はよさそうだ。
ポジりたいときはポジ、ネガりたいときはネガ。
人を写すときには肌が少し緑がかるのが自分的には気になるので、色合いは少しバランス調整が要りそうだ。
暫定:色を出したい、メリハリ付けたい→ポジフィルム調、それ以外で人を入れて撮る→スタンダードややコントラスト下げ、人撮らないでそれ以外→ネガフィルム調、で使ってみようかな。



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