バランタイン12年

創始者はジョージ・バランタイン
1827年、彼が19歳の時に自分自身で食料品店を開いた。
これがバランタイン社の前身である。
この時代と言うのは、ウイスキーにとっては非常に重要な時代である。
グレンリベットの時にも少し書いたが、当時19世紀初頭はウイスキーに非常に高い関税がかけられていた為、密造が横行していた。
政府公認第1号となった蒸留所がグレンリベット蒸留所であり1824年のこと。
それ以降徐々に規制が緩和されていき、公認の蒸留所も増えていった。
そんな時代にあり、ジョージもワインやウイスキーといった種類の取り扱いも増やしていった。
繁盛とともに店を移転しながら、やがて上流階級や貴族への高級な食料品やウイスキーを通じ、サービスと品質の良さから繁盛してく。
1853年に、アンドリュー・アッシャーという人物が様々なモルトウイスキーを組み合わせるヴァッテッドモルトウイスキーを製造。
彼の友人であったジョージのこの発見から閃き、モルトウイスキーとグレーンウイスキー混ぜ合わせるブレンドの技術を高めていった。
1860年までは異なるウイスキーを混ぜ合わせてはいけない、という法律があったが、改正をきっかけに正式にブレンデッドウイスキーが誕生した。
ちなみにグレーンウイスキー作りに欠かせない連続式蒸留器は1826年にロバート・スタインが発明した。
連続式蒸留器の特徴は、その名の通り連続して蒸留を行うことができることから、大量生産に向いていた。
その反面個性がでにくいといった特徴もある。
大量生産可能な連続式蒸留機に加え、に原料も大麦よりも安価なトウモロコシなどの穀物に替えることで、より安価なウイスキーを生み出した。
モルトウイスキーは比較的高価な大麦を原料とし、大量生産には向かない単式蒸留器を使用していることから高級酒であった。
また味わいも非常に個性がある分、万人受けするようなものではなかった。
そこでモルトウイスキーとグレーンウイスキーを混ぜ合わせることで、価格を抑えつつ味わいも飲みやすいものへと変化しウイスキーがより広がるきっかけとなったことだろう。
その為「スコッチの歴史はブレンデッドの歴史」とも評される。
何が言いたいかというと、バランタインはブレンデッドウイスキー誕生初期からブレンデッドウイスキー作りをしている、いわばブレンデッドウイスキー作りの名家ということになる。
その後時代の変遷がありながら、1895年には、ヴィクトリア女王により王室御用達の名誉が与えられ、バランタイン飛躍を大いに後押しした。
1910年にバランタイン・ファイネストを発売。
そして「The scotch」として名高いバランタイン17年が発売されたので1937年である。
17年という長熟の冠を付けたのはバランタイン17年が最初と言われる。
以降、現在まで世界で愛されるスコッチの1本としてさらに進化を続けていることだろう。


そんな今日はバランタイン12年を飲んだ感想を書いてみたい。

テイスティングノートによると
香り:はちみつやバニラを思わせる甘く華やかな香り。
味わい:複雑ながらもバランスの取れた、クリーミーで飲みごたえのある味わい
フィニッシュ:微かに感じる潮の香り・さわやかに伸びるアフターテイスト


香り:まろやかで優しい香り、穀物の香り、奥にほんのりピート、
味わい:優しく甘いバニラが入ってくる、少しスモーキーを感じながら穀物の味わいをしっかり感じられる。
フィニッシュ:余韻も主張は強くないが、甘い香りとほんのりスモーキーさを感じられる。


ブレンデットスコッチの中ではバランタインシリーズが一番好きかもしれない。
スコッチを飲み始めた最初に買ったのがバランタインファイネスとだった、という思いで補正もあるとは思う。
最初は、ウイスキー→アルコール度数が高い→刺激も強い、という印象があった。(ブラックニッカクリアの影響?)
そんなイメージをがらっと変えたのが、バランタインファイネスとであり、そこから色んなウイスキーを飲むようになった。
そしてこの12年は文句なしに美味しい。
強い主張があるわけではない、しかし最初から最後まで優しく甘く、まろやかで飲みやすい。
時間が経つとバニラ香を感じられ、ハイボールにするとスモーキーさを強く感じられる。
価格が比較的安い為、色んな飲み方もできるのもおすすめポイントだ。

オレンジジュースやジンジャエールでわったこともあるが、どれも美味しい。
バランタインは40種類以上の原酒で構成されているというが、まさしくブレンデッドらしいバランスの良さを感じられる一本。

今度は17年を飲んだ書いてみようかな。

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