シーバスリーガル

シーバスリーガル

兄弟から始まる。
名前はジェームズとジョン。
1801年、アバディーンという街で兄弟で会社を立ち上げる。
シーバス・ブラザーズ社の誕生である。
元々はコーヒーやブランデーといった高級食品を取り扱う商店を開いたのが始まり。
その商店の地下でウイスキーの熟成を始めた。
彼らの矜持として「成功は分かち合ってこそ」という考えがあったらしい。
そういう博愛主義的な考え方が、ブレンデッドウイスキーを生み出したのかもしれない。
「より滑らかで豊かな味わいのウイスキーを」という顧客の要望から、ブレンディングを始めたと言われている。
1900年代初頭、アメリカの経済的発展から高級品の需要が伸びていたことから、アメリカにシーバスリーガルと名付けたウイスキーの輸出を始める。
1909年、初代マスターブレンダーである、チャールズ・ハワードとアレキサンダー・スミスが世界初と言われるラグジュアリーウイスキーとして25年熟成のシーバスリーガル作った。
1920年に禁酒法が始まるまで、富裕層の虜にしたことから、そのブランド力は確固たる地位を築いた。
そのブランド力はニューヨーカーの心に根強く残り、1938年に12年熟成の商品として復活を果たす。
そして今なお、シーバスリーガルの主力商品として世界中で愛されている。
シーバスリーガルの全商品に使われているキーモルトの1つは、ストラスアイラ蒸留所で作られている。
ストラスアイラ蒸留所は、1786年創業でスコットランドハイランド地域に現存する最古の蒸留所である。
HPにはストラスアイラ蒸留所がどんな場所にあるのか、360°の映像で見ることができる。
ナレーションが、簡単には行くことができない、と言っているように大自然の中に建てられている。
このような環境で作られたウイスキーがキーモルトであるが故に、豊かで味わい深いブレンデッドが完成するのだろうか。

今回はシーバスリーガル12年を飲んだ感想を書いてみたい。
HPのテイスティングノートには
香り:ハーブやヘザー、はちみつ、そして果物の香り。
味わい:バニラ、ヘーゼルナッツ、バタースコッチの風味とともに、熟したリンゴとはちみつの味わいが広がるクリーミーでまろやかな舌触り。
フィニッシュ:長く豊かな余韻。

香り:果物のようなさわやかな香りを前面にしながらも、鼻をツンと突くようなアルコールの刺激も多め。
味わい:口当たりはまろやかで、リンゴのようなフールティさが口の中に広がる。アルコールの刺激は少し強い。ただ後味が恐ろしいほどクリーミーでカシューナッツを思わせる。
フィニッシュ:色んな香りが複雑に絡み合って、表現の仕方が分からないものの、個人的にはすっきりしている印象。

総評
シーバスリーガルといえば、ジョニーウォーカーやバランタインと並んで、世界的にメジャーなブレンデッドスコッチだが、両者よりアルコールの刺激が少し強い印象を受ける。
ただ、後味に広がるクリーミーさは何にも代えがたい特徴なのではないか。
個人的には少し加水して飲むことをおすすめしたい。
アルコールの刺激、香り、味わいともに和らぎ、フルーティさ、クリーミーさがより際立つようになり、また違う一面を見ることができる。
加水がウイスキーの面白いところでたった1滴でも香りや味わいが様変わりする。
個人的には、ブレンデットのストレートは加水なしでも十分飲みやすいと思っているが、シーバスリーガルはそういった加水による変化が分かりやすいのではないだろうか。

シーバス


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