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医師のキャリアもグネグネでまっすぐではない。(キャリアの積み上げ方の色々) その3


前回からの続き。

卒後10年の悩み(外的要因)

ライフスタイルの変化


外的な環境要因の変化
卒後10年頃にはっきりと出てくる方が多いと思います。

その中でも、
周囲でよく耳にするのは
結婚→出産を経て、家族中心のライフスタイルに移行
してきているのに、働き方がそれに最適化されない

というものです。

"子供が生まれるまでは気にもしてなかったけど、
毎日帰ったら子供も妻も寝ていて、
朝も誰よりも早く出勤するから、家族と会えるのは週末だけ。
しかもその週末も当直、学会、研修などで多くが潰れてしまう"

”仕事と家族との時間を差し引いたら
いままであった自分時間がまったくなくなってしまった”

こういう話はとてもよく聞きましたし、
僕も一時期そんな生活を送っていたのでよくわかりますが、
そんな日々に忙殺されていると

自分の人生とはなんなのか?

誰のための、何のための人生であり、仕事なのか?

など考え直す機会が
強制的に現れてくるんですよね💦

金銭面の変化

さらに卒後10年もすると
金銭的な面でもだいたい目処もついてきます。
それにより、苦悩もでてくる(>_<;)

実家の背景や環境にも大きく左右されますが、
多くの中堅医師が感じていることは、

これだけ働いて頑張っても、
子供にかかるお金や両親の介護のことなど考えると
ぜんぜん富裕層にはなれないし、

ある程度のお金ができたときには
有意義に使う時間や体力がなくなっている
可能性が高い

ということです。

医師という職業は、
他の職種に比べ

圧倒的に平均年収は高く
安定もしている
のですが、
そのためか
いつのまにか生活水準も上がっていて
子供の養育費もかける傾向もあり
意外とお金が残っていない

なんてことはよく聞きますし
実感もします😅

さらに、

大学であれば
教授の入れ替えとともに
ナンバー2以降が総入れ替え
になり左遷され出向していく様子を身近でみたり、

教授の退官とともに教室そのものが消失
路頭に迷う大学院生を目撃したり、

市中病院であれば
上の役職についていた先輩医師が
退職となった年齢になっても
再雇用という形で病院に残っていたり、
外来勤務のみ継続している

様子などみていると、

"このままのキャリアを
踏ん張って続けて

定年を過ぎたら安泰で
あとは悠々自適に暮らせる"
というシナリオは
とてもじゃないけど
描きにくいでしょう。

僕のキャリア論

こうやって考えてみると
僕が後期研修医のときに考えていた
"キャリア"
というものは
全然思ったようにはいかないし、
ライフイベントの大きさやインパクトも
想像できていなかった
と感じます。

そしてそれは
僕だけじゃなく多くの医師に当てはまるからこそ
みな同じ悩みを持っているんでしょう。

たぶん多くの医師にとって
"キャリアはグネグネまっすぐではない"
ですが、
"それを楽しむ"
"道草をくいながら散歩する"
"その時々に興味の赴くまま脱線してみる"
"その中で思わぬ偶然の幸運に出会い、また道を変える"

くらいの気持ちを持って
進んでいったら、
壁にぶつかったとき
そんなに思い悩まなくていいのかな

と、
昔の自分にはそう言ってあげたいですね。

どこにいっていいか
全然わからないし
道も航路もない
というのは困ってしまいますが、
その地図やナビ通りに
行く必要もないでしょう。

人生、楽しんでいきましょう。

それでは、また。

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