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mRNA不純物の短いRNAは何か?

こんばんは。記事のupが遅くなってしまいました
今回は、mRNAワクチン内のRNA早期移動種、短いmRNAについての説明します。プラスミドゲートと関係ないですが、説明している記事を見たことがないので。記事中にEMAはファイザー社からのデータを全て確認できない状況で、緊急承認をしたと読める公開資料の説明を含みます

Part 1から、不純物としてのRNA早期移動種



前回の記事で、ファイザー社がEUのEMA、USのFDA、そしておそらく日本の厚生労働省に提出したワクチンの内容物よりも不純物が多そうだ、というデータを解説しました [前回の記事]

繰り返しのまとめ
ファイザー社が提出したワクチンの電気泳動図 (下↓) に、ワクチン主成分のmRNAよりも早く出現するRNA種が見られます

マッカーマン博士による2価ワクチンの電気泳動図にもRNA早期移動種が存在します

公開されている文書で、EUのEMAは、ファイザー社にこのRNA早期移動種が目的外蛋白を産生しないことを確認するように求めています。提出期限は、中間報告が2021年3月、最終報告が2021年7月でした。なお、この文書内でRNA早期移動種は truncated RNA 短いRNA という名称です

ファイザー社は製造工程プロセス1とプロセス2の両方の産物にRNA早期移動種が同様に存在することをイオン対逆相高速クロマトグラフィーで示しました。下図でPeak 2が免疫原となるスパイクタンパク質をコードしたmRNAで、Peak 1がRNA早期移動種です

ファイザー社は、上図のPeak 1、Peak 2を分取して電気泳動を行いました(下図)。

Fig 2

上図の電気泳動では、Figure1のシャープなPeak 1が幅広いRNA早期移動種として現れています

EMAはファイザー社に、このRNA早期移動種がタンパク質として翻訳されないことの証明を求めていました。そこで、ファイザー社はRNA早期移動種がmRNAがタンパク質に翻訳されるために必要な構造を持たない、と報告しました。

生体の細胞核の中で、mRNAはDNAから綺麗に合成されます。鋳型DNAがmRNAと結合したまま離れない、そんなことは生体ではありえない

核の中で、DNAのプロモーター領域にRNAポリメラーゼが結合する。2本鎖DNAは開裂し、mRNAが合成される。DNAからmRNAが合成されることを転写とよびます

転写終了後のmRNAの5'側にCap構造が、3'側にpoly(A)tail がつきます

ファイザー社は、mRNAワクチンの中に存在する短いRNA種 に、5'-Cap サイトがついているか調べました
5'-Cap サイトがついている割合をTable 1 で報告しているが、数値は黒塗り

5'-Capの有無を調べたクロマトグラフィーのデータは開示されている
バイアル全体、Peak 1、Peak 2 をそれぞれ解析した結果は下図です。
Peak 1を分取したものの結果が図中央です。電気泳動で早い短いRNA種のほとんどに 5'Cap 構造がついている。 
Peak 2 を分取したものの結果が図最下段です。目的とするスパイク蛋白全長をコードするmRNAと推定されるPeak 2のmRNAの大部分に、 5' Cap 構造が付与されている

ファイザー社は、次にpoly(A) tail について調べました (下表)
やはり、poly(A) tail がついている割合の数値は黒塗り

さらにddPCR による poly(A) テール コンテンツの定量化の資料が見当たらない、と記載されています。Type II group of variations assessment report Procedure No. EMEA/H/C/005735/II/0056/Gの16ページです。リンク

Type II group of variations assessment report Procedure No. EMEA/H/C/005735/II/0056/GのP16

ただし、IP-RP-HPLC によるポリ (A) テールの特徴付けと分布のデータは公開されています (図 4)
ピーク 1 の電気泳動で早い短いRNA種のほとんどにポリ (A) テールはない
ピーク 2 と未分画の開始 DS サンプルは BNT162b2 poly(A) テールの予想される長さと分布があります

これらの結果は、BNT162b2 のRNA早期移動種のかなりの割合が無傷の転写産物と一致するレベルで 5' キャップされているが、主にポリ (A) テールが欠けている

短いRNAの図示

ワクチンバイアル内に存在する短いmRNAは、どのくらい短いのか?
この記事の最初のグラフを拡大します。イオン対逆相高速クロマトグラフィーで短いmRNAは、正常なスパイクタンパク質mRNAよりも 約2000〜3000nt短いです。poly (A) tail の10〜30倍の長さが短縮しています。スパイク蛋白質をコードする領域も3'側から短縮している、と推測できます

Fig 2

ここでファイザー社はポリ (A) テールがないmRNAからはタンパク質の翻訳がない、という証拠を提出しました (下図)。方法は、細胞にワクチンそのまま (DS)、ピーク1、ピーク2を移入した後にタンパク質を抽出してウェスタンブロット法で調べた
結果は、ウェスタンブロット法は、抽出したタンパク質をゲル電気泳動します。次に電気泳動の終わったゲルをメンブレンに転写し、最後にメンブレンを抗体と反応させます。ワクチン原液とピーク2を移入した細胞は、S1抗体とS2抗体に反応するタンパク質を合成したが、ピーク1はS1、S2と反応するタンパク質を合成しなかった。このウェスタンブロットでは、後述の分子量が230 kDa よりも大きなバンド部分は提示されていない。ノイズとしてブロット上部のデータを省略したと考えられる

Fig 7.

ウェスタンブロット法によるデータは、捏造を疑われることが非常に多いです。
したがって、このデータは重要なので追試験で確認する必要があります

しかしファイザー社はさらに実験を追加した。試験管内でワクチンからタンパク質を作れるか?を調べた。とても人工的な実験系です。ワクチンを高温に0, 2, 4, 6, 9, 10, 20 分 さらした。その結果、ワクチン内のmRNAがさまざまな程度に加水分解できた、とした。蛋白質の翻訳には、ウサギ網状赤血球ライセートを使用し、産生されるタンパク質にビオチン化リジンを組み込んでウェスタンブロットを行った (下図)。分子量約140 kDa のタンパク質が合成され、mRNAの加水分解が進むとこのタンパク質量が減少した、しかし他のサイズのタンパク質が分解の進んだmRNAから翻訳されることはなかった、というデータです

検出された分子量約140 kDa のタンパク質は、グリコシル化されてない S1S2 タンパク質の予想されるサイズと一致している。ワクチンを加水分解していくと、S1S2 タンパク質量は減少するが、より短いタンパク質は何も増加してこない。ゆえに、短いRNA種から蛋白の翻訳は起きていない。以上が、ファイザー社の主張になります

Fig 8.

ファイザー社の提出した全長および切断された S1S2 タンパク質構築物の理論上のサイズは下表です

Table 4

ファイザー社は最後に翻訳後就職による糖鎖について調べました。HEK-293細胞にワクチンを移入し、細胞の培養液から蛋白を回収し、糖鎖切断酵素PNGase Fで処理し、ウェスタンブロットで解析した。
解釈は、 抗S1 ドメイン抗体、抗S2 ドメイン抗体、および抗RBD 抗体によって検出される約 140 kDa のバンドは、脱グリコシル化された全長スパイクタンパク質 (S1S2) と一致する。
抗 S1 ドメイン抗体および抗 RBD 抗体によって検出される約 75 kDa のバンドは、脱グリコシル化された S1 ドメインとする。
抗 S2ドメイン抗体によってのみ検出される約64 kDaのバンドは、脱グリコシル化されたS2ドメインと一致する。

ファイザー社は次に3つのバンドについて、推測しています

抗S1抗体および抗RBD抗体によって検出された新しい約40 kDaのバンドと、抗S2抗体によって検出された約90 kDaの新しいバンドは、PNGase F 処理による細胞溶解物中のS1S2スパイクタンパク質のさらなるタンパク質分解の結果であると考え
さらに、230 kDaよりも大きい高分子量バンド は、サンプル調製中に完全に変性されていない凝集したスパイクタンパク質に起因する可能性を考えた

Fig 9

ファイザー社の解釈に疑問点をFig 9 に加えた図を下に示します

230 kDa より大きいバンドを凝集体と説明しているが、酵素処理時間0 のレーンにも存在する。正確な性状の説明は何か? 特に赤い三角をつけた抗 RBD 抗体と反応しないが、抗S1ドメイン抗体および抗S2 ドメイン抗体と反応しているバンドは何か?ただし 培養液中の夾雑物と交叉反応している可能性もあります

酵素処理時間 0 で抗S1 ドメイン抗体で検出されるが、抗 RBD 抗体、抗S2 ドメイン抗体と反応しない180 kDaより少し短いバンドは糖鎖のついているS1ドメインである

酵素処理時間 0 で抗S2 ドメイン抗体で検出される
が、抗 RBD 抗体、抗S1 ドメイン抗体と反応しない140 kDaより少し短いバンドは糖鎖のついているS2ドメインである

Fig 9. 糖鎖切断酵素処理 赤枠は反応時間 0 のレーン
赤い星はそれぞれ、抗S1ドメイン抗体で検出された糖鎖のついているS1ドメイン、抗S2 ドメイン抗体で検出された糖鎖のついているS2ドメインである
分子量が230 kDa よりも大きいバンドのうち抗 RBD 抗体と反応しないが、
抗S1ドメイン抗体および抗S2 ドメイン抗体と反応する赤い三角をつけたバンドは何か?



最後までお読みいただけましたか?お疲れ様でした
私もたいへんでした。しかし結論は、安全性が担保されているとは言えない
いずれにしても、接種後に死亡事例があると明確にされたワクチンを接種し続けた場合に、殺人事件とどのように区別できるのでしょうか? 後から故意の殺人を混ぜることが可能では?という意味です。ついSMAPの出ている古畑任三郎のYoutubeを見てしまったので。まじめに考えても物騒です
中断して調査するのが、まっとうな方法と思います。個人の意見です


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