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誤報です:スパイク蛋白のDNA配列が血液のゲノムDNAに見つかった?

こんばんは。X/Twitter でIGOR さんのブログ記事が紹介されています

もともとの論文はロングCOVID、日本語でコロナ後遺症の患者さんの血清 (blood serum) にコロナウイルスのスパイク蛋白とワクチンのスパイク蛋白を発見した、という報告です。原著論文へリンク

IGOR さんのブログ記事を訳しました。
リンクはこちら

IGOR さんが、DNA 解析結果として示しているsupplementary のデータは、上記のPresence of viral spike protein and vaccinal spike protein in the blood serum of patients with long-COVID syndromeという論文のものではありません。(一般的な常識として。同一研究チームが同じ雑誌
European review for medical and pharmacological sciences. にPreliminary study with PCR and Sanger sequencing analysis of blood samples from long-COVID syndrome patients.というタイトルで提出した論文かもしれませんが、はっきりとした証拠が見つかりません)

対象患者人数が81人という点だけが同じですが、全く違う論文の補足データです

さらに、Presence of viral spike protein and vaccinal spike protein in the blood serum of patients with long-COVID syndrome という論文では、コロナ後遺症患者81人の血清から蛋白を分離し、トリプシン消化し、Halo Peptide ES-C18 カラム (2.1 x 50 mm、2.7 μm) を備えた HPLC Surveyor システム (Thermofisher、米国マサチューセッツ州ウォルサム) を使用し質量分析を実施した。
著者らは、ウイルス由来とワクチン由来で、スパイク蛋白のトリプシン処理断片に違いがあるという結果を公開していますが、血液のゲノムに関するデータを提示していません。
また、ウイルス由来とワクチン由来で、スパイク蛋白のトリプシン処理断片に違いがあることの実験的証明が力不足です。

取り急ぎご連絡しました。良いクリスマスをお過ごしください

ふるーるさんが、ご本人に連絡してくれました

12月24日2023年追記
上記Suppl. に関して主にnested PCRの説明と絡めて批判している研究者のインフルエンサーの方がいますが、このSuppl. の本体である論文はpublish されていません。彼の行っているのは、存在しない論文のSuppl.に対する批判です。最初のPresence of viral spike protein and vaccinal spike protein in the blood serum of patients with long-COVID syndromeという論文の著者は、ネット上に存在するSuppl. のpdf と公に無関係です。
Suppl. のpdf. へのリンク

Suppl. はこちら↓ 手違いでネット上に残っている可能性があります。念のために保存しました。本体はpublish されなかったのではないでしょうか?


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