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子どもの新型コロナウイルス感染症-日本の実態調査結果

おはようございます。国立感染症研究所から2022年8月31日現在で、小児の新型コロナウイルス感染症の実態調査の結果が報告されました リンク

少し重い内容です。私はmRNAワクチンのリスクについて主に説明してきました。
注:私の考えの部分を太字にします。15日朝に新しい記事を書きました。他と比較したのでよろしければご覧ください

はじめに。もう6割以上の子どもは感染の既往があると予想します。抗体を測定すると診断できます。新型コロナウイルスに感染したことがあると、ワクチンよりも良質な免疫がついています感染の既往がある場合は、焦ってワクチン接種する必要はありません

そもそも変異スピードの高いコロナ、RNAウイルスに対して最も変異の激しいウイルス侵入レセプターに対する中和抗体を作って感染防御するというのは夢物語なのですが。それでもリスクが上昇したことはお知らせしないと

この以下の報告を見ても、もっと危険なウイルスは身近に存在しています。それでも全く重症化しないと思っていて何かあって後悔するよりはと思ってお知らせします。もっとすっきりとした説明ができるようになったら、間違いなく再度お知らせいたします

新型コロナウイルスは小児における重症度が少し増した


新型コロナウイルス感染症はオミクロンになってから小児における重症度が変化してきてます。その理由は主にオミクロン変異株のインターフェロン耐性が上がってきたことによると考えています。小児の強みであった自然免疫が効きにくくなってきている。そして今のところ新しく出現する変異株ほどインターフェロン耐性が上昇していくでしょう
英国でパンデミックの初期に10代の死者が複数出ました。彼らはウイルス感染に対してインターフェロンを産生する分子に遺伝子のレベルで生まれつき傷があり、ウイルスに対する自然免疫の弱い子供でした。ウイルスに対する自然免疫の弱い子供を遺伝子診断するとして関連遺伝子が多岐にわたるため、確立された方法がまだありません以下の暫定報告を読まれて、リスクが高いと判断された場合には、日本でアクセス可能なノババックスを接種する手があります。回数は1回。


以下ホームページより抜粋


2022年1月1日から2022年8月31日までに報告された小児等の死亡例に関する暫定的な速報です

調査対象とした者:

発症日(あるいは入院日)が2022年1月1日以降のSARS-CoV-2感染後の20歳未満の急性期および急性期以後に死亡した症例。

死亡例は計41例。
0歳 8例
1-4歳 10例
5-11歳 17例
12-19歳 5例
不明 1例

男性 23例

実地調査が行われたのは32例、うち明らかな内因性死亡(外傷を除く疾病による死亡)は29例。 基礎疾患ありは14例。

ワクチン接種対象年齢 (5才以上) にあった15例のうち、13例は未接種者で残りの2例は2回接種者であった。(記載より、2回接種者の1人は基礎疾患あり、もう1人は基礎疾患ありとなしのどちらかである)。13人の未接種者のうちあきらかに未接種は2人、あとは接種歴不明。

まとめると、ワクチン接種対象年齢 (5才以上) にあった15例のうち、2例は2回接種者で、(2回接種者の1人は基礎疾患あり、もう1人は基礎疾患ありとなしのどちらかである)、13人の未接種者のうちあきらかに未接種は2人、あとは接種歴不明である。



(この死亡した2人の2回接種者のワクチンによる免疫がどのようであったかは不明です。例えばワクチンによって免疫が全くできなかった場合。感染増強抗体が豊富にできていた場合など)

実地調査における主な調査項目:
 年齢、性別、基礎疾患、新型コロナワクチン接種歴、発症日、死亡日、症状/所見、死亡に至る経緯等

実地調査の結果
 41例のうち実地調査が実施できた症例は、2022年8月31日時点で32例であり、このうち、明らかな内因性死亡(外傷を除く疾病による死亡)と考えられたのは29例であった。以下、この29例について述べる(表)

 年齢・年代の内訳は、
0歳8例(28%)
1-4歳6例(21%)
5-11歳12例(41%)
12-19歳3例(10%)
であった

注:12-19歳の死亡総数が3例で、そのうち2人がワクチン2回接種であるからワクチンに重症化阻止効果があるかないかわからない、というツイートを見ました。3人のうち2人がワクチン接種しているからワクチン接種者のほうが死にやすいとはなりません

性別は、男性16例(55%)、女性13例(45%)であった。
基礎疾患は、あり14例(48%)、なし15例(52%)であった。
2022年8月31日時点での基礎疾患ありの内訳は、
中枢神経疾患7例(50%)
先天性心疾患2例(14%)
染色体異常2例(14%)等であった(重複あり)。

新型コロナワクチンは、29例のうち接種対象外年齢の者が14例(48%)、接種対象年齢の者が15例(52%)であり、
接種対象年齢となる5歳以上の15例では、
未接種が13例(87%)
2回接種が2例(13%)(2例はともに12歳以上で最終接種日から最低3ヶ月を経過)であった。

医療機関到着時の症状/所見は、
発熱23例(79%)
悪心嘔吐15例(52%)
意識障害13例(45%)
咳嗽9例(31%)
経口摂取不良9例(31%)
痙攣8例(28%)
呼吸困難7例(24%)の順に多かった。

医療機関において疑われた死亡に至る主な経緯は、
循環器系の異常7例(24%:心筋炎、不整脈等)
中枢神経系の異常7例(24%:急性脳症等)
呼吸器系の異常3例(10%:肺炎、細菌性肺炎等)
その他6例(21%:多臓器不全等)
原因不明6例(21%)であった。

急性脳症等の中枢神経系の異常、心筋炎や不整脈等の循環器系の異常によって急激な経過を辿った症例があった。
発症日は、29例のうち26例について得られ、発症から死亡までの日数が、
中央値4日(範囲:0-74日)
内訳は0-2日が8例(31%)
3-6日が11例(42%)
7日以上が7例(27%)であった。

29例のうち基礎疾患があったと考えられた14例について年齢・年代の内訳は

0歳4例
1~5歳未満 4例
5歳以上6例

性別は、男性 9例、女性 5例

医療機関到着時の症状/所見は、
発熱11例(79%)
呼吸困難7例(50%)
悪心嘔吐6例(43%)
咳嗽5例(36%)
経口摂取不良4例(29%)
痙攣3例(21%)
意識障害3例(21%)


発症日は、14例のうち12例について得られ、発症から死亡までの日数は、
中央値4日(範囲:1-74日)
内訳は0-2日が3例(25%)、3-6日が7例(58%)、7日以上が2例(17%)

29例のうち基礎疾患がなかったと考えられた15例について、
年齢・年代の内訳は、

0歳4例
1~5歳未満 2例
5歳以上9例

性別は、男性7例(47%)、女性8例(53%)

医療機関到着時の症状/所見は、
発熱12例(80%)
意識障害10例(67%)
悪心嘔吐9例(60%)
痙攣5例(33%)
経口摂取不良5例(33%)
咳嗽4例(27%)
呼吸困難0例(0%)であった

医療機関において疑われた死亡に至る主な経緯は、
中枢神経系の異常5例(33%)
循環器系の異常4例(27%)
その他3例(20%)
原因不明3例(20%)であり
呼吸器系の異常はなかった

発症日は、15例のうち14例について得られ、発症から死亡までの日数は、
中央値4.5日(範囲:0-15日)
内訳は0-2日が5例(36%)、3-6日が4例(29%)、7日以上が5例(36%)であった

考察 (原文のまま)

 2022年8月31日時点における、2022年1月1日から2022年8月31日までに報告された小児等の死亡例、41例について暫定的な報告を行った。症例数は、7月中旬から増加していた。
 今回の実地調査で内因性死亡が明らかとされた小児等の死亡例において、基礎疾患のなかった症例も死亡していることから、SARS-CoV-2感染後は、基礎疾患のある者(はもちろん、基礎疾患のない者においても、症状の経過を注意深く観察することが必要であると考えられた。

新型コロナワクチンは、接種対象でも多くの小児の死亡例では未接種であった。また、症状は、日本小児科学会による国内小児におけるCOVID-19レジストリ調査2)と比較して、呼吸器症状以外の症状のうち、悪心嘔吐(52%)、意識障害(45%)、経口摂取不良(31%)、痙攣(28%)の割合が高かった。新型コロナウイルス感染症における重症度分類は、主に呼吸器症状等により分類されているが3)、小児においては、痙攣、意識障害などの神経症状や、嘔吐、経口摂取不良等の呼吸器症状以外の全身症状の出現にも注意を払う必要があると考えられた。発症から死亡までの日数は、1週間未満が73%を占めており、特に発症後1週間の症状の経過観察が重要であると考えられた。

調査に関する制限と今後

本報告は、2022年8月31日時点での暫定的な報告であり、今後の調査の進捗にあわせて、情報の更新・修正がなされる可能性がある点、及び本調査では、SARS-CoV-2感染と死亡との因果関係を検討していない点に留意する必要がある。引き続き、自治体及び関係学会の協力のもと、本調査を継続していく予定である。


本調査における協力学会:日本小児科学会、日本集中治療医学会、日本救急医学会

謝辞:本調査にご協力いただきました関係者の皆様に心より御礼申し上げます。

参考資料

1. 厚生労働省 データからわかる-新型コロナウイルス感染症情報

https://covid19.mhlw.go.jp/ (閲覧日:2022年8月19日)

2. 小児科学会 予防接種・感染症対策委員会「データベースを用いた国内発症小児 Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) 症例の臨床経過に関する検討」の中間報告:第3報、2022年3月28日

http://www.jpeds.or.jp/uploads/files/20220328_tyukan_hokoku3.pdf

3. 新型コロナウイルス感染症診療の手引き・第8.0版

https://www.mhlw.go.jp/content/000967699.pdf



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