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イベルメクチン@COVID-19

こんにちは

ここでは、イベルメクチンがCOVID-19 に有効であるという査読済みの論文を紹介しています


イベルメクチンを含む予防的化学療法の大量薬剤投与を日常的に行っている国では、COVID-19の罹患率が有意に低い


根拠となる論文
タイトル A COVID-19 prophylaxis? Lower incidence associated with prophylactic administration of ivermectin
出典 International Journal of Antimicrobial Agents 57 (2021) 106248
著者 Martin D. Hellwig 他 所属 Plymouth State University, USA
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方法:イベルメクチンを含む様々な薬剤を用いた予防化学療法(PCT)を日常的に実施している国のデータを収集し、PCT にイベルメクチンを含む国と含まない国の 2 つのカテゴリーに分類して比較した

比較方法:発生率を従属変数とし、3つの処置(イベルメクチンありのPCT、イベルメクチンなしのPCT、PCTなし)を因子として、順位に関する一元配置ノンパラメトリッククラスカル-ワリスANOVAを用いて、集まったデータを分析した。ポストホック比較は、Dunnの検定を用いて行われた。有意性は、ボンフェローニ法で調整した

COVID-19の罹患率 (incidence) は 、予防化学療法(PCT)にイベルメクチンを含む国々では有意に低い (図3)

図3. アフリカ諸国におけるイベルメクチンによる予防化学療法(PCT)の効果としての新型コロナウイルス感染症(2019年コロナウイルス感染症)の発生率をバイオリンプロットとして示した

注意事項:データはイベルメクチンを前もって服用しているとコロナウイルス感染症の発症が抑えられることを示唆している。ただし、イベルメクチンを前もって服用する状況で必ず重複する未確定の事象が交絡因子となって影響している可能性は残る。

この論文紹介ブログ↓

あらかじめイベルメクチンを服用している国々では、COVID-19の罹患率と死亡率が低い

根拠となる論文
タイトル COVID-19: The Ivermectin African Enigma
出典 Colomb Med (Cali). 2020 Oct-Dec; 51(4): e2014613.
著者 Rodrigo Guerrero 他 所属 Universidad del Valle, Colombia
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1995年から2015年まで、世界保健機関(WHO)が後援するオンコセルカ症対策のためのアフリカプログラム(APOC)でイベルメクチンが投与された。
APOC参加国 (19カ国)と非参加国 (35カ国)の新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) の罹患率と死亡率を比較した。

比較方法:一般化ポアソン回帰モデルを使用して、累積 SARS-CoV-2 感染率および死亡率に対する APOC 状態の影響の推定値を取得した。人間開発指数 Human Development Index (HDI) などのさまざまな要因を調整した。

APOC 諸国 (非 APOC と比較) ではCOVID-19の死亡率が 28% 低く (0.72; 95% CI: 0.67-0.78)、感染率が 8% 低い (0.92; 95% CI: 0.91-0.93) ことが示された。

左:図1a. APOCに参加した国。APOC諸国: アンゴラ、ブルンジ、カメルーン、中央アフリカ共和国、チャド、コンゴ、コンゴ民主共和国、エチオピア、赤道ギニア、ガボン、ケニア、リベリア、マラウイ、モザンビーク、ナイジェリア、ルワンダ、スーダン、タンザニア、ウガンダ
右:100万人あたりの死亡率

上図右でAPOC非参加国は、COVID-19による100万人あたりの死亡率が高い

この論文紹介ブログ↓

*注:イベルメクチンは新型コロナウイルス感染症の発症や死亡を完全にゼロにできるわけではありません

イベルメクチンの事前配布は有効である。しかし、診断後の投薬では遅すぎる

根拠となる論文
タイトル COVID-19 Excess Deaths in Peru’s 25 States in 2020: Nationwide Trends, Confounding Factors, and Correlations With the Extent of Ivermectin Treatment by State
出典 Cureus 15(8): e43168.
著者 Juan J. Chamie, Jennifer A. Hibberd, David E. Scheim (責任著者) DE Scheim の所属 US Public Health Service · Blacksburg, VA, USA
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方法:全死因超過死亡の分析を、ペルーの州ごとに人口の年齢が60歳以上を対象に実施した。各州について、パンデミックの第 1 波における超過死亡のピーク日を決定し、次に、死亡のピーク日からその後 30 日および 45 日までの超過死亡の減少を追跡した。

結果:IVM 使用期間中の 2020 年 8 月 1 日から 12 月 1 日までの間、全国的な超過死亡は 14 分の 1 に減少した。
しかし、IVMの使用が制限された後、超過死亡は2021年2月1日までに13倍に増加した。

図 2: ペルーの全人口超過死亡(全年齢)y 値は 7 日間の移動平均
データはペルーの国家死亡情報システム (SINADEF) から、関連する凍結データセットは Dryad データ リポジトリ から入手できる

この論文の詳しい説明はこちら↓

アフリカ諸国は平均年齢が低く、人口密度が低く、人々は屋外にいることが多い

このあたりの事情を説明しているニュースの和訳です↓


寄生虫の蠕虫に感染の既往があると、COVID-19の重症化を抑制する

最近、以前の寄生虫感染が新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) の重症化を抑制することがマウスの実験で証明されました。
イベルメクチンの効果との関係性は調査されていませんので、アフリカ諸国でCOVID-19の死亡率が低い国々の中には、以前に蠕虫に感染したことによる重症化抑制効果が含まれている、とだけお知らせしておきます

その論文紹介ブログ↓

COVID-19の症状が出てから投与しても有効性が出なかった@New Engl J Med 2022

ブラジルの研究で、イベルメクチンとプラセボはそれぞれ679人が参加した。
Covid-19の症状が7日以内にあり、疾患進行の危険因子を少なくとも1つ持つ患者を、イベルメクチン(体重1kgあたり400μg)を1日1回3日間投与する群とプラセボ群に無作為に割り付け、二重盲検無作為化プラセボ対照適応プラットフォーム試験を実施した。
主要複合アウトカムは,28 日以内の Covid-19 による入院または救急部受診
全体として、イベルメクチン群では100人(14.7%)が一次アウトカムイベントを経験したのに対し、プラセボ群では111人(16.3%)が経験した(相対リスク、0.90;95%ベイズ信頼性区間、0.70~1.16)
結果:イベルメクチンによる治療は,Covid-19 と早期に診断された外来患者において,Covid-19 の進行による医療入院の発生率や救急外来の観察期間の延長を低下させることはなかった

患者の年齢、体格指数、心血管疾患または肺疾患の有無、性別、喫煙状況、症状発現からの時間によって定義したサブグループ分析でもイベルメクチンの有効性は出なかった (下表)

数字は相対リスクと95%ベイズ信頼区間を表す
例えば、症状発症から3日以内投与でプラセボと比較してイベルメクチンの有益性は認められなかった(相対リスク、1.14;95%ベイズ信頼区間、0.76~1.74)

タイトル Effect of Early Treatment with Ivermectin among Patients with Covid-19
出典 N Engl J Med 2022; 386:1721-1731
著者 Gilmar Reis, 他 所属 Dr. Reis can be contacted at thetogethertrial@gmail.com or at the Research Division, Cardresearch–Cardi- ologia Assistencial e de Pesquisa, Rua Domingos Vieira 300, Sala 606, Belo Horizonte 30150-242, Brazil.
リンク 全文無料

その論文紹介ブログ↓


黒川清先生のイベルメクチンに関する論考のブログ書き起こし Part 1 Part 2

補足資料:プレプリントで止まっている論文


Efficacy and Safety of Ivermectin for Treatment and prophylaxis of COVID-19 Pandemic

目的:COVID-19感染症の軽症・中等症および重症症例に対するイベルメクチン+標準治療(アジスロマイシン、ビタミンC、亜鉛、ラクトフェリン、アセチルシステイン、Dダイマーが1000を超える場合の予防的または治療的抗凝固療法)を、ヒドロキシクロロキン+標準治療と比較して評価した
研究方法に難があります
訳ブログはこちら 


補足資料:イベルメクチンの使用に否定的な情報


2021年3月31日、WHOは、イベルメクチンを臨床試験の中でのみ使用し、日常的な臨床診療の一部として使用すべきではないと勧告しました
Huang C, Wang Y, Li X, et al. Clinical features of patients infected with 2019 novel coronavirus in Wuhan, China. Lancet 2020; 395: 497–506.

イベルメクチン副作用 21人と臨床試験リスト

2021年8月にオレゴン州毒物センターにイベルメクチンを服用して体調を崩して電話したのは21人の報告です
そのうち適応外利用でコロナのためにイベルメクチンを服用したのは11人です
イベルメクチン投与後,ほとんどの人が2時間以内に症状を呈した.6人では、隔日または週2回の服用を数日から数週間繰り返した後、徐々に症状が進行した
21人のうち6人がイベルメクチン使用による中毒症状で入院した。この6人は全員、コロナの予防が目的でした。処方箋で入手した3人を含む。4人が集中治療室で治療を受けたが、死亡者はいなかった
症状は,胃腸障害4名,錯乱3名,運動失調と脱力2名,低血圧2名,痙攣1名であった。入院しなかった人の多くは,胃腸障害,めまい,錯乱,視覚症状,発疹などであった

11人は全員男性
年齢の中央値:64歳、範囲:20〜81歳
11名はCOVID19予防のため、1名はCOVID19の症状の治療のために使用

イベルメクチンは、米国FDAより、腸管ストロンギロイト症およびオンコセルカ症の経口治療薬として、また、足病および酒さの局所治療薬として承認されています
無作為化比較試験では,COVID-19の予防または治療における臨床的有用性は示されていない (ref 3: Rapid increase in ivermectin prescriptions and reports of severe illness associated with use of products containing ivermectin to prevent or treat COVID-19. CDC Health Alert Network no. CDCHAN-00449. August 26, 2021)


イベルメクチン使用は誤りであるという意見

意見を述べている。2021年 Lancet Infect Dis ↓

 








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