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お仕事探訪@筑波大学 掛谷英紀先生

こんにちは。荒川 央先生が、新型コロナウイルスのゲノム解析をしたデータを論文にできなくなっている事件があります。事件の相手側の掛谷 英紀先生のお仕事を見てきました。少し、ご紹介しましょう

ご研究分野が相当する輸出入品目の区分は、音響・映像機器の (映像記録・再生機器)または音響・映像機器の部品です。令和6年6月27日財務省発表資料によりますと、これらの品目の5月分輸出金額はそれぞれ 28,379百万円 (伸率 4.7% )、および 16,302 百万円 (伸率 18.7% ) です
*大切な研究分野であることを示したつもりです

過去にご開発された「マッドネス大賞」受賞作品


音響・映像機器の部品としてNHKだけ映らないアンテナを開発されました

10年前のニコニコ超会議ニコニコ学会βで「研究してみたマッドネス大賞」を受賞された記事を発掘しました

しかし、ネット上には喧嘩の跡がある



研究室はこちら


筑波大学システム情報工学研究科 視覚メディア研究室です
科研費有りです

2023年発表のお仕事はこちら

最近のお仕事は、粗インテグラルイメージングを用いた電子ディスプレイの改良です

インテグラルイメージングとは?

インテグラルイメージングは遠近感を伴った映像を表示する立体テレビやコンピューターのディスプレーなどの方式の一つです。 多方向から撮影した映像やそれと同等の画像データをコンピューターグラフィックスで生成することにより、対象物から出る光の波面を角度別に再生表示するものです。13年前の東芝の技術の方の発表がありました↓

https://www.youtube.com/watch?v=8uUWydvF18I


要素レンズを大きくして、一つの要素レンズから複数の画素が観察されるようにしたものを粗インテグラル表示と呼びます。例えば、下図のように立体視システムで、ディスプレイパネルとレンズアレイの間の距離と要素レンズの焦点距離を等しくし、大口径フレネルレンズを追加すると、空中に目の焦点が合う立体像を生成することができます

目的は、良い画像を得るディスプレイの開発研究

電子ディスプレイのピクセルピッチは通常、密な光線空間を再現するのに十分細かくないため滑らかな像を表示できない、ということで、滑らかな像を表示するために、空間解像度を高める研究を実施されました

微細インターリーブフレネルレンズアレイを用いたインテグラルイメージング改良版
第30回インターナショナル・ディスプレイワークショップ会誌掲載 2023年

ここでは、要素レンズを拡大してビューの数よりもはるかに多くのピクセルをカバーできるようにした。これにより、複数のピクセルが各要素レンズを通して観察され、要素レンズとスクリーンの焦点距離に対する距離に応じて、小さな実像または虚像が生成できる

そして滑らかな画像を得るためにレンズの継ぎ目を改良しました
隣接する 2 つのレンズの溝を交互に並べて、隣接する要素画像の境界を混合します

図2 従来の要素レンズ(上)とインターリーブ溝付き要素レンズ(下)

実際には、水平方向と垂直方向の両方でインターリーブ境界を実現するために、インターリーブ境界を持つ線形フレネルレンズを2層重ね、1つは水平方向に、もう1つは垂直方向に並べた

そうすると、要素画像の境界が滑らかになった。下図の赤い丸内です。左がBefore、右がAfter で改良されたことが確認できる

次に「レンズ領域全体をインターリーブされているフレネルレンズに置き換えた要素レンズ」でレンズアレイを構成します
その結果は図5に示すように画像の連続性が向上します

図4.  徐々に幅が変化するインターリーブフレネルレンズ
図 5. 要素レンズ全体をインターリーブして、さまざまな視点から観察した画像です

今回提案されたインターリーブ要素レンズの基本設計図を下に示します

図6. インターリーブフレネルレンズの基本プリズムの設計

上図の数値の決定ですが、プリズム ペアの全幅を w、各プリズムの傾斜角をそれぞれ αl と αr とします。すると、2 つの要素プリズムの幅 wl と wr は次のように表されます

最終的にプロトタイプのインターリーブレンズは次のような設計になりました (下図)

図7. プロトタイプシステムで使用された要素インターリーブレンズの設計(要素レンズの右半分を表示)単位 [mm]

使用したディスプレイパネルは、解像度 3840 x 2160 の IVV 12.5 インチモバイルディスプレイです。要素レンズの数は 20 x 20 です

作成された仮想画像型ディスプレイの写真です (下図)

上図の仮想画像型ディスプレイによって提示された画像です (下図)

図 9 は、異なる視点から観察された仮想画像プロトタイプシステムによって提示された画像を示しています

次に、実像型ディスプレイが製作された (下図)。ディスプレイパネルはレンズアレイの19mm 後方です

図10. 実像型ディスプレイ

上図の実像型ディスプレイによる画像を示す (下図)

この研究は、日本学術振興会科学研究費補助金(助成番号:22H03624)および科学技術振興機構(JST)CREST助成番号:JPMJCR18A2 によって部分的に支援された


2024年発表のお仕事はこちら


こちらの仕事は分業になります。
タイトル:Coarse Integral Volumetric Imaging Display with Time and Polarization Multiplexing
PHOTONICS/11(1), 2023-12

この論文では、時間と偏光の多重化技術を使用して体積 3 次元画像を表示する、積分体積画像化の新しい方法が紹介されています。時間と偏光の多重化を組み合わせて、単一の表示パネルを使用して 2 つの焦点面を実現しました


以上です

個人の感想です。業界が違います。また、荒川先生が困っていることにこれから配慮される可能性は限りなく低と感じました


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